内容説明
「過去をやり直すことはできない。それでも、もしも――そう望む人の想いは存在する。たとえ記録には残らなくても」
若き准教授、椥辻霖雨は「犯罪」を専門に研究する社会学者だ。
霊の見える不登校児・姫子と共に居候する叔父の家に、一人の客人がやってきた。彼は妻殺しの罪で十年弱の刑期を終え出所してきたばかりだという。何かを感じ取った姫子は、事件を再調査するため霖雨に協力を求めるが……。
裁かれ、償われた十年の月日――そこには壮絶な孤独と、切ない真実が隠されていた。
十年前の有罪判決。償われるべき罪はあったのか?
若き准教授と、死者を見る少女が、記録には残らない<真実>をあばきだす。京都が舞台の人気クライムミステリー第2巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
44
犯罪者を非難するということの重さを感じました。2022/04/19
よっしー
22
被害者や加害者にも家族がいる。家族だから…という理由で必要以上に周りから責められ、アレコレと過去を詮索されて…。それで喜ぶのはお茶の間の人々達。そのブームは一時の物ですが、そこで晒された人達の人生はずっと続いていく。感情が絡むからこそ、余計に拗れてしまうのかもしれませんね。正解の分からない、難しい問題だと感じました。2023/04/22
ツバサ
13
罪を憎み、人は憎まず。今のSNSの誹謗中傷、私刑について考えさせられる内容だった。加害者、被害者、関係家族、それぞれの立場を想像する見方が必要だと思わされます。事件の真相には悲しい事実がありました。2024/04/17
紅羽
13
10年の刑期を終え、出所してきた男の事件の真相を読み解くシリーズ二作目。あらゆる角度から視点を変えて見ていく事で明かされていく事件の真実。それはなんともやりきれない気持ちになる真相でしたが、面白い作品でした。今回も色々と犯罪というものについて深く考えてしまいました。2022/04/26
悠
12
良かった。2024/02/27