天使も踏むを畏れるところ 下

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天使も踏むを畏れるところ 下

  • 著者名:松家仁之【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 新潮社(2025/03発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103328155

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内容説明

敗戦から15年、皇居「新宮殿」造営という世紀の難事業に挑む建築家・村井俊輔。彼を支える者、反目する者、立ちはだかる壁……。戦前から戦中、戦後、高度成長期の日本社会と皇室の変遷を辿り、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす、かつてない密度とスケールの大長篇。『火山のふもとで』前日譚ついに刊行! 下巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

169
上・下巻、1,100頁、完読しました。戦後の皇居「新宮殿」造営を巡る壮大な人間ドラマにて大河小説、大変読み応えがありました。タイトルも秀逸です。今年の私のBEST20候補にノミネートしました。 https://www.shinchosha.co.jp/book/332815/2025/06/11

アキ

82
この長編小説のテーマは、建築である。「建築は物として残り、記憶と意味と切り離されてもなお、あらたな評価を得る可能性がある。ことばはうつろいやすい」著者が編集者から小説家に転身した動機が、主人公・村井の建築した皇居の新宮殿に関する物語を書きたいというものであっただけに長編小説の醍醐味を味わえる。多くの皇室の人々や宮内庁、建築に関わる人たちが登場するが、最も印象に残ったのは美智子妃である。戦後の皇室の印象を変えた昭和40年代の状況がよくわかる。60年後の現在、日本国民の潜在意識に皇居宮殿は確かに存在している。2025/06/05

のぶ

69
まず、この膨大な大作を読み通したことの満足感でいっぱいです。新宮殿造営に関わった多くの人々、そして戦後「国民統合の象徴」となった天皇家、戦後の歩み、有り様まで、さらに戦後日本社会の変遷までを含んだ、新宮殿造営を巡る物語。建築家の村井俊輔、侍従の西尾滋成、新宮殿造営のため建設省から宮内庁に出向した杉浦恭彦、園芸家の藤沢衣子という4人の視点から語られる。新宮殿だけのことだけでなく、皇居内に残る武蔵野の自然のことや、当時の社会情勢、歴史的な出来事なども盛り沢山で、とても充実した作品だった。2025/07/11

pohcho

63
下巻になって牧野の横暴ぶりはますます加速。村井先生のことを思うと心が痛いし間に入る杉浦さんもかわいそう。おだやかな村井先生の我慢も限界になりついには・・となるのだが、メインストーリー以外にも象徴天皇の在り方や日本人の国民性、さまざまな事件、美智子妃の話などがあり、大きな話の中にささやかな日常が幾重にも織り込まれて綾なす一つの物語になっていた。上下巻合わせて千頁超え。駆け足で読んでしまったが、先日見た「美の壺 皇居」も見返したいし「火山のふもとで」も再読せねば。いろいろ勉強してからいつかじっくり再読したい。2025/04/17

よこたん

41
“百年後にもすばらしいと感じられる建築は、新しい顔をしているというより、どこかで見たことのあるものが少しずつ集積して、見事にそこに落ち着いているーーそういうものじゃないか” 皇居の中の人、外の人の暮らしと想い。昭和の天皇家を盛り込んだ物語をこれまで読む機会はなかった。戦後、新しく変わろうとすることでぶつかり合う人と人の心が苦く重い。村井先生が新宮殿の設計を進めていたのに、横槍ばかり入れて、恣に事を運ぼうとする輩に、私も腸が煮えくり返る思いだった。建築家としての矜持を通した先生に、悔いはなかったのだろうか。2025/06/09

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