内容説明
ウルベスでの独断専行が家臣達の反感を買い、しばらく国内で大人しくすることにしたウェイン。
その矢先、大陸西部のデルーニオ王国より式典への招待が届き、妹のフラーニャを派遣することに。
しかしそこでフラーニャを待ち受けていたのは、数多の思惑が絡み合う国家間のパワーゲーム。
一方で国内に残ったウェインの下に、大陸東部にて皇子達の内乱が再燃という報せが届く。
「どうやら、東西で両面作戦になりそうだな」
グリュエール王の失脚。皇子達の陰謀。東レベティア教の進出。野心と野望が渦巻く大陸全土を舞台に、
北方の竜の兄妹がその器量を発揮する、弱小国家運営譚第十弾!
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
44
ナトラ、ソルジェスト、デルーニオの三ヶ国同盟を祝う祝典中に起きたソルジェストの政変を巡る今回の物語。それぞれの国の代表が様々な思惑を巡らせる中で、ウェインの代わりに出席したフラーニャの活躍には驚かされました。 成長著しく人望が厚いフラーニャがナトラの王になるのか、遂に明かされた二ニムの正体、そしてウェインの真の目的とは。続きが楽しみです。2022/05/03
よっち
38
ウルベスでの独断専行が家臣達の反感を買い、しばらく国内で大人しくすることにしたウェイン。その矢先、デルーニオ王国より式典への招待が届き、妹のフラーニャを派遣する第十弾。数多の思惑が絡み合う国家間のパワーゲームに巻き込まれるフラーニャ。一方で次々と起きる帝国の皇子達による内乱や、グリュエール王の失脚、東レベティア教の進出など野心と野望が渦巻く展開でのフラーニャの奮闘があって、遠くから盤面をひっくり返してみせるウェインには戦慄しましたが、新たに生まれる因縁や動きもあってここからまた事態が大きく動きそうですね。2021/08/11
ツバサ
28
ここ数巻フラーニャが前に出てきていたが、その理由が腑に落ちました。ウェインの裏の顔に気づき始める周りを引っ張るのに相応しいのはフラーニャだったからか。ウェインは最初から国を売国しようとしたり、愛国心はないしね笑 ただ、いくら束ねても現時点ではウェインを引きずり落とすのは至難の業かと。ニニムの正体も明かされ、物語は大きく動いていきそうだ。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/08/15/2100002021/08/15
わたー
28
★★★★★西側諸国と帝国で同時期に発生した政争に介入するナトラ。為政者として大きく成長したフラーニャがその両面作戦の立役者になるとは思ってもみなかった。最後の一手こそ手助けがあったものの、彼女の大器の片鱗を感じた。それだけに最後に投下された4種の火種がどうなっていくのか、賢王大戦の行末に期待が高まる。それにしても、毎回毎回、決してページ数も文章量も多くないのにこうも密度の濃い作品を発表してくるとは…2021/08/15
かっぱ
24
大陸西部のデルーニオ王国の式典にフラーニャが参席するシリーズ10弾。ここにきてフラーニャの成長が物語として意味を持ってきた。現時点ではウェインに見劣りするのは当然のことだけれど、それでも民の上に立つ者としての資質の片鱗をまざまざと見せたフラーニャには各国の傑物たちと同じ香りがした。変わりたいのであればここで変わろう。なにも特別じゃない言葉でもウェインの妹でしかなかったフラーニャが努力を重ねた先で放った言葉だからこれ以上ない説得力だった。シリーズも終盤に差し掛かって物語の行く末が楽しみすぎる2021/08/25