内容説明
「そこなし森の話」に続く、佐藤さとるファンタジー童話集の第2巻。建築家の卵、太郎の頭の中から飛びだしたふしぎな童子が、太郎の長年の憧れを叶える「名なしの童子」ほか、「水のトンネル」「箱の中の山」「ろばの耳の王様後日物語」「かくれんぼ」「海が消える」「ネムリコの話」など、現実の向うの神秘な世界を垣間見せてくれる、魅力あふれる名品12編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamako
2
ずいぶん昔、小学生の頃に読んだ本を先月再読。表題作も素晴らしいし、ネムリコの話やあかずの間のような緊張感溢れる話も素晴らしい。復刊してほしいかも。
砂ちゃん
0
子供の頃はこんな空想をするよなと思う話と、大人になって天啓のようにこれだと思い当たることあるよなって話。
joyporzy
0
「味噌汁でカンパイ」て漫画を試読していたら、主人公が14、5才の男女で少しくすぐったい。その時ふっと気づいてこの本を開く。何かリンクするものがあったのだろう。確か四十五年前、5年生ぐらいに買って読んだ。「水のトンネル」大人の前で無口な少女が自分の世界を語りだす饒舌をつかんだ瞬間、そしてそれが人とつながる時。買い物カゴの時代のころの平穏と生き生きした心のふるえ。また「井戸のある谷間」は作者のベストの一つであり、ポツンと一軒家ファンタジー。今日は風に交じるブンタンの花の香と「べイビイ 長谷川清」を聴きながら。2021/04/23