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内容説明
絶望の淵で、意志を穿つ、覚悟はあるか?
「地動説」に魅せられたグラスの想いを受け継いだオクジーは、一縷の希望を胸に、孤高の天才修道士・バデーニの元を訪れ、石箱を引き継ぐ。そして、オクジーとバデーニが「地動説」証明のための新たな協力者を募ったところ、「女性に学問など」という時代に押し潰され、世界に絶望する少女が一人。
一度見えた希望を失い絶望の淵へと突き落とされた人間は、再び希望を求め、意志を貫き通すことはできるのか? 持てる選択肢は二つ。それでも意志を貫くか、否か。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
174
これまでも十分面白かったが、いよいよ本格的な面白さに引きずり込まれるような感覚があった3巻。14歳の少女・ヨレンタが登場してから作品がより好みになってきた。ヨレンタは女性ゆえに不遇な状況にあるが、私としては時代や環境を跳ね返す活躍を期待する。オクジー、バデーニ、ヨレンタの3人に少しずつチーム感が出てくるのもいい感じ。ゆえに会話が面白くなってきた。「文字が読めるって、どんな感じなんですか?」「文字は、まるで奇跡ですよ」とかね。宝石が角度によってキラキラするのを眺めているようなワクワク感がある。続きが楽しみ。2025/07/30
Aya Murakami
120
ゲオで借りた本 いるいる!こういう女性の手柄を横取りする男! 2022/07/20
ムッネニーク
100
68冊『チ。 ー地球の運動についてー 3』(魚豊 著、2021年4月、小学館) 新たな協力者を得て、さらに物語は加速。ちょっとだけ絵が巧くなった気がする。 一巻につき一つの惑星に着目するという構成が面白い。 ただ星を観測するだけでここまで熱いドラマを展開できる、作者の作劇のうまさに脱帽。 「満ちてる。」2021/08/01
眠る山猫屋
93
ヨレンタ、少女にして研究者。この時代の女性の立ち位置はあくまで男性の従属的な存在。彼女もその事は認識しつつもやはり研究者としての夢は諦められない。ピャスト伯の積み上げてきた天動説への信仰。そして、それを上回る真実への渇望。正直なところ、登場人物たちの持つ世界の真実への希求心には理解が及ばないのだが、大切に思う“なにか”を捨て去れない熱い心情には揺さぶられている。好き嫌いはあるだろうが、間違いなく引き込む力を持った作品だと思う。2021/11/27
Vakira
82
宇宙の真理と引き替えに尊い命が消えて行く話であった、1,2集。今回は消えないのはありがたい。第2集からの続きだ。しかしまた新たな問題。それはまた新しいキャラ登場。しかも女性。いや、まだ少女だ。しかし天文学にかなり精通、数学も出来る。この展開、この頃はまだまだ女性の意見は通らない。自分の考えた論文は上司の案として報告される。かなりの憤りを感じる。しかし生意気に意見を通せば魔女扱いになって火あぶりの刑だ。だからひとまず我慢。満ちた金星が見えれば地動説の理由の一つになる。果たして金星は如何に。2021/05/23