ちくまプリマー新書<br> よみがえる天才5 コペルニクス

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ちくまプリマー新書
よみがえる天才5 コペルニクス

  • 著者名:高橋憲一【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2020/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480683892

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内容説明

観察データを読み解き考え続け理性の命じることを優先させた結果、長く天文学の伝統であった天動説を否定したコペルニクス。どのように地動説=太陽中心説を思いついたのか。固定観念を打ち破った近代科学誕生の幕開けの瞬間に迫る。

目次

はじめに
第一章 青少年期のコペルニクス──ポーランドからイタリアへ
どのような家庭に生まれたか
コペルニクスの生きた時代
天文学に関心を寄せていた青年期
イタリアで法学、さらに医学を学ぶ
天文学のための基盤を深めた留学時代
〈コラム〉宇宙の二球モデル
プトレマイオス説の概要
第二章 留学帰りの聖堂参事会員兼医師の重要な余技
医師コペルニクス
司教の秘書官として働く
初めての出版は文芸書の翻訳
「コメンタリオルス」を執筆
地球は動くという革新的な理論
地球は三重運動によって回転している!?
地動説を思いついた動機に関するさまざまな意見
天文学の伝統を批判する
コペルニクスが思い描いた宇宙
いかにして太陽中心説に到達したか
地球を動かすことを決意した瞬間
〈コラム〉プトレマイオス説の最終モデルとその問題点
ウプサラ・ノートの分析
第三章 天文学者として名が広まる聖堂参事会員
職務に追われる日々
天文学者としての名が広まっていく
問題を見つけ考え抜いたものに閃きが訪れる
多忙な日々と捏造されたスキャンダル
ローマ教皇も地動説を弾圧せず
〈コラム〉コペルニクスにおける地動説の理論的展開
第四章 『天球回転論』の出版──地動説の公表
若き数学教授との出会いが運命を変えた
古代の諸仮説を捨てた理由
『天球回転論』出版へ向けて動き出す
亡くなる当日に届いた主著をめぐって
太陽中心説が革命的な理由
〈コラム〉実在主義的地動説の問題点とは?
第五章 静かな革命──天球回転論が起こす波紋
地動説が世界観をかえてゆく
コペルニクスのパラメーターを活用したグレゴリオ暦の出現
太陽中心説を改作した宇宙体系の模索
ブルーノ、ケプラー、ガリレオの登場
ケプラーの法則
ガリレオの天体観測
ガリレオの『天文対話』と宗教裁判
コペルニクスは天才だったのか?
あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

inami

31
◉読書 ★3 一年ほど前に購入し積読、興味のある物理学者や数学者など他に何人もいるのに、なぜ「コペルニクス」だったのか思い出せない(笑)。そうそう以前、微積分法をニュートンとは独立に発見(発明)した「ライプニッツ」の本を購入しようと思い、なぜか「スピノザ」を購入したり・・どうなってるんだこの頭(笑)。まあそれはいいとして、本書は言わずと知れた「地動説」のコペルニクスの青少年期(富裕な名門家庭)や聖堂参事会員(叔父は司教)兼医師としての活動、そしてどのように地動説(太陽中心説)を思いついたのか等内容は濃い。2021/10/14

岡本 正行

19
大きな勘違いをしていた。コペルニクスの時代には、キリスト教会は、天動説は、聖書により大地は動かず、天体が動くと教え、ギリシアやアラビアは、地球も動く、教会は地球が絶対と考えていたと思っていた。ギリシアのプトレマイオスが、地球がすべての中心、太陽も地球の周りを回っていると説いていた。しかし、コペルニクスは、地球が太陽の周りを回っているとすれば、すべての困難な周回軌道は、円や楕円軌道で、容易に説明がつくとした。この辺、教会を、あまりに頑迷固陋と思いすぎていた。教会も聖書と数学と合わせたかった。難しいけど。2021/11/20

surucucu

8
コペルニクスの出生から『天球回転論』出版までが当時の天文学の図解込みで書かれている。コペルニクスって在野研究者で本業は聖堂参事会員だったんだ。プトレマイオスの天動説も良くできていてコペルニクスもここから出発した。そこから地球を動かすに至るまでの論理の流れがはっきりして面白かった。当時の情勢についても書かれているが思想史的要素はあまりない。最後の章で死後、地動説がどう証明されて科学観・宗教観にどれ程大きな影響を与えたかが書かれる。コペルニクス以前にも以降にも挙げたらキリがない諸研究者の貢献があったのだなあ。2020/12/29

たつや

5
数式は理解できませんが、地動説を覆し、太陽中心説を定説にした偉大なる偉業はスリリングで素晴しい。観察の重要性を教えてくれる良き一冊ですね。2024/05/03

霹靂火 雷公

4
高橋憲一訳・解説『コペルニクス・天球回転論』(みすず書房・1993) https://bookmeter.com/books/335631 の解説を噛み砕いたジュブナイル新書。 コペルニクス説の特徴を最低限の図版で解説しているので読みやすいし、その後のニュートン力学へと至る「コペルニクス的」流れも掴める良著。天才の称号は、その後の歴史によって(遡って)編み上げられた転換点なのだと納得できる。2022/07/18

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