内容説明
英国王妃から「公爵家の跡継ぎの教育係になるように」という新たな任務を与えられたジョージー。自分自身のマナーもおぼつかないというのに、人に教えるなんて!? しかもその跡継ぎのジャックという若者は、貴族のマナーも品格も無縁に育った外国の農夫だというから、さあ大変。やることすべてが破天荒の問題児だ。公爵家の人々は歓迎するどころか、よそ者に財産を奪われまいと敵意をむき出しにした。そしてとうとう、現公爵の死体が地所内で発見される事件が発生! 背中にはジャックのナイフが突き刺さっていた。純朴なジャックの人柄に好感を抱きはじめていたジョージーは、彼が犯人だとはどうしても信じられず……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たち
42
今回は、今までの作品の中で、一番大人しい感じでしたが、じっくりと犯人当てをするには、良い作品だったと思います。ダーシーとの関係は相変わらずヤキモキしますが、実はこの微妙な関係こそジョージーにとっては幸せだったりして…と思ってしまった。2018/04/26
ち~
39
シリーズ7冊目。現公爵に世継ぎがいない為、オーストラリアから公爵の甥ジャックを迎えた公爵未亡人。牧羊場育ちの彼を教育すべく派遣されたジョージー。ジャックを探し出し連れてきたダーシーと共に滞在する事に。しかし直後、公爵が何者かに殺害され新たな公爵となったジャックに容疑がかかるが、彼ではないと確信するジョージーは、公爵家の一員、殺された公爵の取り巻き、解雇された従僕など多くの容疑者の中から犯人を探し出す。クイーニーやベリンダは登場するものの、いつもよりドタバタ度は低めだったかな。2020/01/07
星落秋風五丈原
38
前作『貧乏お嬢さまのクリスマス』で母親から「自伝の執筆を助けて欲しい」と言われロンドンに来たジョージィだが、いざ書いてみたらあれもこれも公にできないエピソードばかりだった。母親は恋人からの誘いに気もそぞろで、またもや居場所に困ったジョージィは、困った時の王妃に支援を求めると「オーストラリア出身で突然公爵家の未来の跡継ぎとなったジャックの教育係になるように」という任務を与えられる。ところが当の公爵家の人々は彼の来訪を喜んでおらず…。ドラマ『ダウントン・アビ―』以外久々に「週末なんて」の台詞を聞きましたよ。2017/08/19
ジュール リブレ
30
ロンドンから南に下ったケント州の公爵のお屋敷で起こる悲劇を、コメディ調で読ませます。日本だと、犬神家の一族みたいにドロドロさせそうだけど、このあたりは西洋風のタッチの方が読みやすい。第一次大戦後の英国で、まだ貴族の形が色濃く残っていることが面白い。いまも、たぶん、見えない中でずっとやってるんだろうけど。あんがい、このシリーズは、食事のシーンも面白いです。次は来年、とか。2017/06/14
むらさきめがね
28
もともとお気に入りのシリーズでしたが、今回は特に充足感たっぷりで読み終えました。確かにダウントンアビーを彷彿とさせる舞台設定で、われらがジョージーがいつになく賢しい立ち回りで大活躍し、ますます今後が楽しみに。フィグが一切出てこないのもよかった(笑)2017/06/10