内容説明
東京のとある一角。どこの店も「close」の看板がかかる早朝に、スープ屋「しずく」は、こっそり営業している。フリーペーパー制作の仕事をする理恵はある朝、しずくでポトフを口にした途端に、しずくの虜になった。職場で起きた盗難事件と対人関係で悩み、食欲も減退していた理恵。店主の麻野に悩みを抱えていることを見抜かれて話すと、麻野は推理を繰り広げ、鮮やかに解決する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
414
スープのように心が温かくなる一冊でした。この場面設定は最近の流行なのか、よくある食べ物屋と客の間での出来事の解き証し物なのかなぁ~と期待はしないで読み進めたのですが、単なる解き証しミステリーではなくて、スープ屋の店主の生き様を絡めたミステリーもあり、その件では新鮮で夢中になってページを捲るペースが一気にスピードアップされました。そして、その店主のやさしさがスープの味付けにもなっているようで、時々は行って見たいスープ屋「しずく」となりました。スープは様々な食材が美味しさを引き出ので人生みたいですね。2016/03/03
桜父
316
日常のチョットした謎を解き明かす「麻野暁」。おいしそうなスープばかりで、朝食に飲みたいと思いました。「スープ屋しずく」の店名の謎や麻野の過去も解りスッキリしました。面白いので、続編を期待したい。理恵の暁に対する気持ちが成就すると良いね。2015/02/12
ウッディ
314
人気のスープ屋「しずく」には、ひっそりと営業している朝の時間があった。滋味溢れる優しいスープが都会で疲れた人の心を解きほぐす。「しずく」の朝メニューを求めて集う人々の周囲で起こる小さな事件を麻野シェフが解決する物語。この本の魅力は美味しそうなスープ。ミステリーはオマケという感じでした。特に、なぜ朝営業を始めたかというラストの謎は、説明臭くて頭に入ってきませんでした。‥けど、こんなスープ屋さんがあったら行ってみたい。。。2017/10/06
ダイ@2019.11.2~一時休止
307
連作短編集。よく見かけるバリスタ探偵のスープ屋バージョンって感じ。スープが飲みたくなってポタージュを買って飲みながら読めば心も体もあったまった。2014/11/26
たんぽぽ
240
スープがとっても美味しそう。 ほっこりと心温まる作品…と思っていたら、最後は結構ハードというか辛い展開。全ての子供達が「自分を認め愛してくれる家族と温かな食卓を囲むようになるといいなぁ…」クリスマスも近いことだし。2014/12/21