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内容説明
萩原朔太郎作品から生まれた「朔くん」、北原白秋作品から生まれた「白さん」、室生犀星作品から生まれた「犀」など、詩人本人ではなく作品のイメージをキャラクター化。詩人たちが暮らす近代市□(シカク/詩歌句)街に住む詩人の朔くんは、本人は自覚なく□街の神として町を詩人の理想の土地として管理していたが、知らずにその神の力で詩壇の師匠の白さんに強く働きかけ、自分の男性・詩人としての理想を白さんに具現化してしまっていた。ある時、□街に出現した愛国心の一表出である「縊死体」は朔くんに取り憑くが、それは戦争を悔いるあまりに愛国心までも否定しようとする戦後の日本の総意識に対抗するためであった。縊死体に侵食され一体化した朔くんは変質した白さんと複雑に影響を与え合い、神としての力が白さんにも流れ込み、白さんは二体に分裂。ひとりは新しい神として□街を守り、ひとりは男性として女性化した朔くんと結ばれるが、縊死体、戦争翼賛文学までも愛国心として認める白さんが守る□街を責める「戦後の日本の総意識」の攻撃は激化する。朔くん、白さん、戦場巡りで戦争の悲惨さを経験させられた犀の選択とは。第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門・新人賞を受賞した近代詩歌俳句ファンタジー、ついに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
16
「翼賛詩を罪科とのみ捉えていては何も進まないのです 戦勝国では愛国心の表明は賛美され続ける 時代により変遷する価値観でしかない 翼賛詩を通して我々が問われるべきは芸術の真髄でしょう」しかし、敗戦国として戦後を生きる人々は、それを許さなかった。なぜ優れた翼賛詩が生まれなかったのか? 近代人の自己とは何か? 日本人の精神性とは? それらの疑問は戦争犯罪の名のもとに廃棄物と認定され、隠蔽されてしまった。(つづく)2019/10/20
えも
16
完結!▼日本の近代詩歌とは何だつたのか、そして詩人にとつて愛国心と戦争とは何だつたのか、その答へが、その解釈が、確かにこの作品の中にありました▼しかもそれは論理ではなく、数々の詩歌の心を持つて紡がれ、まるで詩歌に触れた時のやふに、感情を以て心に染み込んできました▼近代詩歌に関心のある全ての人に読んでもらひたい、さふ思ふほどの作品でした2019/10/12
かやは
14
現代は詩を必要としていない。詩は歌やアニメ、ゲームや映画、色んなものに溶け込んでいて、個人でも好きに言葉を発信できる世の中だから。誰かが誰かの思想を継いでくれるということもあまりないように思える。近代詩人の代表格ともいえる「朔」を解放したのが詩人であり小説家でもあった「犀」であるというのが、この先の言葉の展開を予期しているようにも思えた。この作品のおかげで「詩」とはなんであるかが少しだけわかったような気がする。最高の作品でした。ありがとうございます。2019/09/26
シゲミ
9
月吠えがきっかけで萩原朔太郎に興味を持ち、〝好きだけど作者までは知らなかった「こころ」(テルーの唄のプロトタイプ?)の作者”と知り、運命を感じた。そこから熱を上げていき、とうとう大学の研究対象として選択するまでになった。まさに、この漫画との出会いが運命を変えたといっても過言ではない。――そんな大切な漫画が、とうとう終わってしまった。重い題材に四苦八苦しながら読んだこともあった。それでも最後まで完走できたのは、清家先生の熱量に充てられたせいかもしれない。ああ、語るには文字数が足りない。2019/09/24
たろさ
8
今更ながら最終巻。龍くんには死んでほしくないなぁ。「日本語は優しすぎて猛々しいうたは似合わないのよ」『永日礼賛』と『眞如』が並んでるのがよかった。2020/04/25
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