内容説明
幻想世界で繰り広げられる「愛と性の狂宴」。
文芸誌「群像」に連載された、小島信夫の“執念の大作”第3巻。
アメリカ人の知人であるワシントンの妻・悦子との逢瀬を妄想していた作家の前田永造は、偶然に再会したワシントンと二人でボウリング場へと出かけ、あれこれボウリングの指南を受ける。だが「どうも夢くさいぞ」という永造のひと言を契機に、自宅にはワシントン夫妻を始めとして様々なゲストが往来し、さながら舞台劇のような“幻想の世界”へと突入していく。
めくるめくような狂宴が繰り広げられ、遂に永造は悦子と“夢の中での性交”へと臨むことになるのだが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アレカヤシ
2
「前田永造はいよいよ脱線するが、後にそのことを難じますと、私はツボを心得ているという返事が返ってきます。何しろ行きつくところは同じ場所ですからな。死ですからな」P463 59章から、前田永造の夢か妄想か何だかわからない、すごい事態になってきた。このあとどうなっていくのか。66章のうたがとっても面白かった。なんかのパロディ? 遠藤ミチロウのうたに似た感じがある。ミチロウさんもこの小説読んでいたのかなあ? (足もとから、いやもっと下の方、地の底から、煙の如く押しあげてくるこの悲しみは何なのか)P3012019/12/31
岸田解
1
かなりヤバい感じになってきましたが、ここから更にエスカレートしていくんでしょうね。2021/05/22
でろり~ん
0
なぜ著者はこんなに夫婦生活、というよりは性生活に拘っているのでしょうか。面白くもない行為描写が長過ぎ。バブル景気の助走あたりに書き始められて、月に一章ぐらいのペースなんでしょうね。この巻の夢舞台なんかはサービスのつもりだったんでしょうかね。シェイクスピアをはじめ様々な作家の名前が出てくる中にジェイムズ・ジョイスが出てきませんねえ。とても似たテーマを感じました。ダブリン市民が1914、ユリシーズが1922。抱擁家族1965、別れる理由1982。兵隊経験者の著者の生活にとってのアメリカも、大きいんでしょうね。2020/01/02
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