内容説明
ふたたび師弟みなみな心をひとつに西方をめざす.平頂山蓮花洞の金角・銀角は,その肉をくらえば不老長寿はまちがいなしという三蔵を狙って策をめぐらす.まんまと,須弥山,峨眉山,泰山の下敷きとなった悟空は師匠を案じ,こぼれる涙は滝のよう.改版.
目次
目 次
第三十一回猪八戒 義もて猴王を煽ること孫行者 智もて妖怪を降すこと
第三十二回平頂山にて功曹 便りを伝うること蓮花洞にて木母 災いに逢いしこと
第三十三回外道 真の性に迷れること元神 本の心を助けること
第三十四回魔王 巧算にて心猿を困しめること大聖 交換えて宝貝を騙しとること
第三十五回外道 威もて正義を欺むくこと心猿 宝にて邪魔を伏すること
第三十六回心猿 正しく処せば僧侶の伏すること傍門 劈って破れば月明の見えること
第三十七回幽鬼王 夜半に三蔵に謁すること孫悟空 変化し嬰児を引かすこと
第三十八回嬰児 母御に問いて贋王を知ること金木 水中に赴いて真物を見ること
第三十九回金丹を一粒だけ天上にて貰受くること国王は三年ぶり世間にて再生すること
第四十回嬰児の戯化により禅心が乱れること猿馬と刀圭および木母が空しいこと
訳 注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
146
孫悟空はヤンチャな悪い猿だから、立派な三蔵法師の西への修行の旅にお供するも、悪さをするので頭の輪っかを締め付けられる…、なんていう今までの認識をすっかり改めなくては。ヤンチャで悪さは猪八戒の専門だ。三蔵法師は全くなってないお坊さん。小さい子供みたい。悟空は悪くなくても濡れ衣で頭を締め付けられるのに、山の下敷きになっていた自分を助けてくれたご恩を忘れないいじらしい猿だった。それと、3巻くらいから、訳の言葉遣いがいくらなんでも悪すぎるように思える。途中に入る詩でバランスを取っている感じ。さあ悟空、頑張れ。2017/09/22
セウテス
56
悟空の破門がとけて、一行は再び西を目指す。今回の敵は、物語の中でも最も有名な金角と銀角が登場する。お互いより強いものに変化しての戦いも一進一退、悟空も計略を使って闘うが、何度も囚われてしまう。名前を呼ばれて返事をしたが最後、小さな瓢箪の酒壺の中に吸い込まれてしまう宝具での戦いは、子供の頃から本作のベストバトルの一つです。この武器のアイデアも、いろんなアニメに使われているし、斉天大聖が敵として登場するメガテン系のゲームも在る。日本人が戦隊もの等チーム戦を好むからこそ、ここまで身近な物語であるのかも知れない。2018/01/17
ビイーン
27
4巻はお馴染みの金角と銀角が登場する。名前を呼ばれて返事をすると、ひさごの中に吸い込まれる話はあまりにも有名。原作の三蔵は相変わらず八戒の言動に惑わされて緊こ呪を連発して唱えているし、八戒はゲス極まり、沙悟浄は影が薄い。悟空一人が凄く苦労しているようにみえる。色々と発見があって面白いかな。2020/03/03
デビっちん
23
悟空の破門が解け、西遊記では有名な金角・銀角との戦いがありました。琥珀浄瓶、七星剣、芭蕉扇、幌金縄、紅葫蘆という5つの宝具はどれもユニークなモノでした。芭蕉扇って風ではなく火を起こすモノだったんですね。悟空や沙和尚が月による自然界の運行法則を三蔵に説いているところが心にグッときました。手印と真言で神様を呼び出せたり、金鍛丹で死者を蘇らせたりといった記載もありました。物語は三蔵が紅亥児にさらわれ、救出に向かうところで続きは次巻です。2016/12/03
デビっちん
21
再読。今回も金角・銀角との闘いが印象に残りました。宝具とか特殊なものがあると記憶に結びつきやすいですね。その他、方位ごとにお願いする仏や神様がいる点、月には自然界の運行がある点の2つが読んでいて興奮ものでした。2020/03/12