内容説明
平凡社ライブラリー創刊25周年企画、待望の『中世思想原典集成』文庫化(全7巻)。第2巻はラテン教父の系譜。解説エッセイは岡田温司。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
ローマの迫害の中、ラテン語圏でもキリスト教の信仰者が2世紀頃から存在した。ギリシア、ビサンティンと隣り合うイタリアと北アフリカで活動したラテン教父と呼ばれる彼らは、ギリシアヘレニズムの哲学と東方の霊性に関する神秘的思索に対峙しつつ独自の信仰を模索する。迫害する側のラテン的教養も批判しつつ、ラテン語の文法に基づく独自の聖書解釈によって三位一体を議論する中でアウグスティヌスが現れ、さらにキリスト教の国教化から異文化が流入し教義が体系化されて教会中心のスコラ化が始まる。その背後には新プラトン主義が見え隠れする。2020/03/14
いとう・しんご
1
初期の教父達が聖書のみの金網デスマッチで血みどろの肉弾戦を繰り広げる一方、アウグスティヌスやボエチウスはプラトン哲学という抜け道を使って金網を出入りする姿はとてもスマートであり、思わず感動するけれど、良く良く考えるとちょっと「ずるっ子」な感じもするのでした。とはいえ、両者の文章は一読に値するものです。2020/06/07
Ryukeion
0
カッシアヌスもっと翻訳してほしい。 2020/12/12
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