内容説明
平凡社ライブラリー創刊25周年企画、待望の『中世思想原典集成』文庫化(全7巻)。第6巻はトマス・アクィナスを頂点とする〈大全〉の時代。解説は赤江雄一。
感想・レビュー
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roughfractus02
10
托鉢修道会でありながらパリの大学に講座を持つドミニコ会は、ドイツへ派を広げつつ伝統的神学とアリストテレス哲学のあるいは教会の権力と世俗の政治権力の仲介者となり、人間を神の分有としつつ個も許容するトマス・アクィナスの『神学大全』を創出する。が、哲学を講じる文芸学部が力を持ち、神学部から「アヴェロエス主義」と非難を受けるように、大学内の力関係も変容を始める。レコンキスタと十字軍による知の増大が教会システムを揺るがす中、イギリスに渡ったフランシスコ会士はさらに個を追求する(ドゥンス・スコトゥスからオッカムへ)。2020/03/18
いとう・しんご
1
やっぱり難しいけど、キリスト者として当時の学者達が真摯に神に近づこうとしたその姿勢だけは確実に伝わってくる。経験的な自然学以前なので、どこまでも思弁的なのは仕方ないよね・・・2020/07/04