内容説明
地獄代行人の皓と助手の青児のもとに届いた〈バラバラ殺人〉を予感させる依頼状。バロック様式の館がそびえる島に向かった二人を待ち受けていたのは、美しき〈生き人形〉と皓の〈弟〉を名乗る少年で!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★Masako★
85
★★★+ シリーズ第二弾。地獄代行業を営む、魔王の子で半妖の美少年・皓と人の隠された罪を妖怪の姿でとらえる目を持つ助手の青児。今回の舞台は孤島にある人形作家の舘。密室殺人、残された少女の首、大量の血、消えた死体等本格っぽいのだが、皓とペット化扱いされている青児との会話ににんまりするし、ライバルの棘や皓の弟を名乗る緋も登場して雰囲気は明るめ。ただ、緋の秘密や複雑な思いと行動は切なく哀しく、最後に明かされた皓の生い立ちは重く辛い。怪しげなエピローグは新しい展開となる予感。3作目も積んだので、楽しみだ♪2019/07/06
aquamarine
79
地獄代行業・皓と罪を犯した人が妖怪に見えてしまう助手の青児のシリーズ2作目。キャラ読み出来るほど登場人物みんなが個性的なのに、実際の物語は殺人予告に首切り遺体に密室殺人、としっかり本格ものだったりするので驚きます。今回は皓の弟と名乗る男の出現、前作から続く棘との対立等、今回も事件以外の部分にも惹かれて、重い事件のはずなのに、重苦しくなくさらっと読み進めることができました。今回の事件の片がついた後も彼ら自身の物語はまだまだ謎を残しています。今後の展開も楽しみです。2019/09/14
眠る山猫屋
69
二巻は長編。台風が接近する離島での殺人予告。事件そのものより、皓(しろし)と青児の主従関係、皓と緋の血縁の謂、そして事件当事者たちの錯綜した関係性で読ませてくれました。そして死んだと語られてきたライバルの兄の影・・・。今回一番衝撃だったのは、あの善意の人に隠されたサイコパスな正体。一冊掘り下げてくれても良かったかも。成る程、表情を読み取り反射的にコピーするかぁ・・・実際にいそうだなぁ。そして結末に待っていたのは。血の繋がり、或いは血縁の無い家族の表現の仕方がとても上手な作家さん。2019/08/12
papako
66
続けて弍。今度は長崎の島に出張。皓の弟を名乗る少年が現れて、青児の替わりに助手になりたいと言う。出張先の島のホテルで殺人が起こるが、妖怪に見えるものはいない。誰が犯人でどんな罪なのか?この巻も楽しめました。皓と青児は家族になれるのかしら。皓やライバル棘の周りも不穏なラスト。どうなるでしょうねー。2019/11/09
カナン
65
三巻が発売間近ということで纏めて一気読み。地獄代行業を営むという百花の王を体現する着物を纏う美少年…の隣に立つイケメンは誰…と思ったら青児か! 前巻で散々気障ったらしい振る舞いで、これで化けなきゃ三下以下の詐欺だと思っていた棘が美味しい所を綺麗に持って行くので、個人的に彼の双子の正体が気になります。長崎の離島の美しさを舞台にした演出は好み。平安時代から鬼に食われるのは女であり、鬼を孕んで飼うのも女だとされていた。そして愛でるのも。行きたい所へ行くのよ。璃子嬢は確かに云った。そう、「生きたい」所へ行くのよ。2019/06/12