内容説明
明治時代創業の老舗古本屋・東京バンドワゴンは本日も大騒ぎ! 先々代の時代に錚々たる文士が寄稿して編まれ、強盗殺人までも引き起こした〈呪いの目録〉。ずっと封印されていたその目録を狙う不審な男がうろつきはじめた――。さらに、なんと英国の秘密情報部員が堀田家へ乗り込んできた! 二代目が留学先から持ち帰ったある本を巡り、勘一、我南人たちはロンドンへ――。人情たっぷりの第11弾!
目次
春 花も嵐も実の生る方へ
夏 チャーリング・クロス街の夜は更けて
秋 本を継ぐもの味なもの
冬 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
251
誰でも多かれ少なかれThe long and winding roadですもんね。高速道路で一直線なんてどうでしょうか。『チャーリング・クロス街の夜は更けて』が面白かったかなぁ。色々おかしい(褒め)。勘一の父草平はイギリスに留学していて。当時は現在の比じゃないですよね。それが一介の古本屋を生業に収まるとか。いや、国宝級のものも扱っていそうではありますが。英国SISの方に「アイス」の「コーヒー」をお出しするのは軽い嫌がらせでしょうか? そして紺は問題の本の内容を把握していると言うね( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。2022/11/11
starbro
239
以前から気になっていた東京バンドワゴンシリーズを図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。小路幸也、初読です。タイトルおよびシリーズ名から、かなり音楽色の強い(ライブハウス、ロック喫茶等が舞台)小説だとばかり思っていましたが、下町古書店大家族大河小説でした。13巻まで続いているのは、伊達ではない人気シリーズだと良く解りました。全巻読むかどうかは思案中ですが、とりあえず12&13巻を読んでみます。同シリーズのHPも充実しています。 https://www.shueisha.co.jp/bandwagon/2018/07/14
しんごろ
235
個人的には、このシリーズでは1番好きな作品です。ほのぼのして、いつも口元がゆるんで終わるんだけど、何度かウルウルしてしまった。心に残る素敵な一文もあり、とにかく良かった。語り手のサチさん、語り方が更に優しくなったみたい。だから、物語が更に引き立ったのかな。堀田家の素晴らしさ、温かさがなんとも心地よく、思わず自分も言ってしまうよね。LOVEだねえ!それにしても勘一の〇〇に〇〇をかけるシリーズ、特に今回のは笑った!意表突きすぎです(笑)2018/08/16
KAZOO
161
今回も季節ごとに四つのお話が収められています。人物の紹介が今回はもとの図に戻ってわかりやすくなりました。大人は別として子供たちが大きくなっていく様子がわかります。本当に季節感もうまく描かれてくれています。「呪いの目録」のはなしや007がからむような話でロンドンの古本屋街にまで出張っての話、お近くの幽霊がらみや古本屋店主の孫のバンドデビューなどが語られます。また医学部受験についての資金援助の話もあったりで結構読ませてくれます。本の話が多いと楽しめます。2023/01/30
はにこ
103
今回も色々あった。今度はイギリスにまで赴くとは!行動力ありすぎー。年寄りが多くなってきていることもあって、病気になったりして去っていくのが寂しい。これがこの物語のリアルさなのかも。子供もどんどん成長する。花陽も研人も今後の自分の進むべき道が見えてきているね。SNSで有名人叩かれているような社会問題も入り込んでいて考えさせられたりもした。2020/09/08