内容説明
ヨーロッパのキリスト教徒や知識人たちにもっとも広く読まれてきた『ユダヤ古代誌』。天地創造から説き起こし、紀元後66年のユダヤ戦争直前までの記述で終わる全20巻は、ヨセフスが敗軍の指揮官のひとりとしてローマに降ったのち、皇帝の厚遇のもとに書かれた。政治的には親ローマ派であり、思想的にはユダヤ教、ユダヤ文化の弁護者であったヨセフスの大著は、ユダヤ史を知るうえできわめて貴重な史料であるばかりでなく、イエスと同時代の散逸した記述を数多く含む文献として、キリスト教徒たちの関心をひきつけてきた。原著8~11巻までを収める文庫版第3巻は、ソロモンの即位から、バビロン捕囚を経て、旧約世界の終焉にいたる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
刳森伸一
3
3巻はソロモンの時代から南北王朝時代を経て、バビロン捕囚そしてアレクサンドロス大王の時代まで。ソロモン以降は王よりも預言者が重要な役割を果たすが、後付けだと思われる。そんなことよりも、預言者がかなりの人数存在したことに驚く。2015/10/09
印度 洋一郎
1
イスラエル王国のソロモン王の治世から、王国の南北分裂、バビロン捕囚を経て、アレクサンダー大王の時代までを記録。これまでは専らヘブライ人内部とその周辺民族との攻防中心の内容だったが、この頃からオリエント世界の国際情勢が反映されていく。総じてはっきりとは書いてないが、ソロモン王の時代のイスラエルは大国エジプトの属国だったらしい(ソロモンの妃はファラオの娘)。この後も、南北分裂時代には南のエジプトと北のアッシリアの二大大国のパワーバランスに翻弄されながら、イスラエルとユダが内部対立と融和を繰り返したことが伺える2023/01/07
MatsumotoShuji
0
000914