内容説明
ヨーロッパのキリスト教徒や知識人たちにもっとも広く読まれてきた『ユダヤ古代誌』。天地創造から説き起こし、紀元後66年のユダヤ戦争直前までの記述で終わる全20巻は、ヨセフスが敗軍の指揮官のひとりとしてローマに降ったのち、皇帝の厚遇のもとに書かれた。政治的には親ローマ派であり、思想的にはユダヤ教、ユダヤ文化の弁護者であったヨセフスの大著は、ユダヤ史を知るうえできわめて貴重な史料であるばかりでなく、イエスと同時代の散逸した記述を数多く含む文献として、キリスト教徒たちの関心をひきつけてきた。原著5~7巻までを収める文庫版第2巻は、カナン征服ののち、ダビデ、ソロモンによるイスラエル王国の樹立と発展をたどる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
刳森伸一
3
二巻目は、モーセの後を継いだヨシュアから士師の時代を経てダビデによるイスラエル王国の設立、そしてダビデの死まで。色々なエピソードはあるものの、基本的には戦いに次ぐ戦い。古代イスラエルの戦いは基本的に殲滅戦らしく、女性や子供も容赦なく虐殺されるので、胸が痛い。2015/10/06
印度 洋一郎
1
モーセ亡き後、「士師」と呼ばれる政治・軍事指導者に率いられるヘブル人が他民族を殲滅して、カナンの地を占拠していく征服戦中心の内容。神意に従い、異教を信じる異民族は皆殺しにして、土地を奪う。これはいわゆるジェノサイドでは?と思ってしまう。そうして、次々と異民族を排除し、最後の大敵ペリシテ人と抗争する辺りで、民衆の要望によって国王が登場するが、預言者は「王を選ぶのは神の意に沿わぬ」と反対。しかし、結局民衆の声に抗しきれずにサウルを選ぶ。この王は世襲ではなく、神意によって、羊飼いのダビデが次の王になる。 2022/12/31
MatsumotoShuji
0
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