内容説明
ヨーロッパのキリスト教徒や知識人たちにもっとも広く読まれてきた『ユダヤ古代誌』。天地創造から説き起こし、紀元後66年のユダヤ戦争直前までの記述で終わる全20巻は、ヨセフスが敗軍の指揮官のひとりとしてローマに降ったのち、皇帝の厚遇のもとに書かれた。政治的には親ローマ派であり、思想的にはユダヤ教、ユダヤ文化の弁護者であったヨセフスの大著は、ユダヤ史を知るうえできわめて貴重な史料であるばかりでなく、イエスと同時代の散逸した記述を数多く含む文献として、キリスト教徒たちの関心をひきつけてきた。原著18~20巻までを収める文庫版第6巻は、ヨセフスのキリスト証言を挾み、ユダヤがローマの属州となり、破滅への道を辿る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
8
ヘロデ大王の死後、ローマによる統治→ヘロデ・アグリッパス1世→ローマとヘロデ・アグリッパス2世による分割統治を経てユダヤ戦争前夜まで。いわゆるキリスト証言P34,洗礼者ヨハネの刑死P50、義人ヤコブの死P291など新約聖書に関係する記事もあるけれどいずれも1頁くらい。ヨセフスの同時代、あるいはその少し前の時代の話で、歴史を記述し、理解するためにはある程度の距離が開かないとダメなんだなぁ、と感じました。過越をパスカと言ってみたり、ファスカと言ってみたりの脱力ぶりの楽しい翻訳なので、巻末の訳者解説はパス。2026/03/11
刳森伸一
2
最終巻はローマ支配下のイスラエル。有名なキリスト証言も収録されているが、非常に短くて驚いた。また、ローマ皇帝ガイウス(カリグラ)の暗殺などユダヤと直接関係しない記載も多くあり、ユダヤが大国の中の一部になってしまったことが実感できる。2015/10/26




