内容説明
ヨーロッパのキリスト教徒や知識人たちにもっとも広く読まれてきた『ユダヤ古代誌』。天地創造から説き起こし、紀元後66年のユダヤ戦争直前までの記述で終わる全20巻は、ヨセフスが敗軍の指揮官のひとりとしてローマに降ったのち、皇帝の厚遇のもとに書かれた。政治的には親ローマ派であり、思想的にはユダヤ教、ユダヤ文化の弁護者であったヨセフスの大著は、ユダヤ史を知るうえできわめて貴重な史料であるばかりでなく、イエスと同時代の散逸した記述を数多く含む文献として、キリスト教徒たちの関心をひきつけてきた。原著15~17巻までを収める文庫版第5巻は、ローマの傀儡ヘロデによるパレスチナ支配の栄耀栄華と、その悲惨な最期。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
9
ヘロデの統治初期から彼の死、その後の無政府状態を経て、分割統治まで。プルタルコスはアクティムの海戦にヘロデがアウグストゥスに味方して軍船4隻を出していた書いていたと思ったけれど、ヨセフスはそんなことは書いてなくて、アントニウスに近かったヘロデが堂々たる弁論でアウグストゥスに見事に鞍替えする様子を描いているP66。また、H.アレントは「全体主義の起原」でAD1世紀のローマに1万人のユダヤ人がいた言ってたけど、P346で「八千人以上」という記事があって、これがネタ元なのねと発見したのでした。2026/03/10
刳森伸一
4
五巻はヘロデ大王の統治とその悲惨な結末まで。聖書に書かれていた時代も終わり、作者が生きた時代に近付いたせいか出来事がかなり詳細に描かれている。ヘロデ大王は、独裁者の見本のような男だが、特に印象に残るのは、大国ローマに媚びを売る醜い姿勢と、そうしなければ生き残れない哀しさである。2015/10/24
MatsumotoShuji
1
010206
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