内容説明
大学在学中にデビューした新進作家の連城響生。味のある作風を評価されていたが、自分の殻を破れない。運命に導かれるように出会った劇作家榛原憂月の舞台が響生を変えてゆく。榛原の世界に熱狂し翻弄される響生。自らの作風も変わり気が付くと榛原の模倣作家(エピゴーネン)に…。絶望の淵に落ちた響生は友人奥田の励ましで戯曲を書き始める。若き日の響生の姿、原点を描く「赤の神紋」サイドストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
13
榛原という劇薬の洗礼を浴び、模倣作家として認識され、自我と影響の地獄を味わい、自分しか表現できないことという希望の綱も断たれた連城。それでも苦しみを理解し、連城という自我を肯定して手を差し伸べつづけた奥田さんという親友を持てて連城は本当に果報者だと思います。時々、「ファイアフライ」や本編と重なるのが切ない。容赦なく、突き落とす世界に挑み、肉薄し、何者にもなれないと苦しんだクラディウスが「赤の神紋」に込められた思いを悟ったことでクラディウスの言葉を聞き入れたオーギュストが生まれるのはこの先のことだった。2012/07/18
末森咲夜
3
今の連城響があるためには勿論ケイの存在は必須なんだけど奥田さんの存在が大きいんだなぁ、と思いました。皮肉な運命の出会い、そして自分の言葉を求めて足掻く姿、取り戻したかと思いきやあのラスト!面白かったです。だけど一番好きなのは響の脚本アイデアから奥田さんが演出プランを考えて行く過程かな。榛原の芝居も見てみたいけど、たぶん私は「飛行帝国」の芝居の方が好きそうです。【0図書館蔵書】2009/08/10
織葉
3
判っていたけど奥田がすっごいいい人で、こんな人が親友な連城が羨ましすぎる!!!2009/07/14
たろさ
2
連城がいかにして、榛原と出会い、熱狂し、愛しながら、憎むようになるまで。ラストは前巻のラストに繋がっていきます。才能があったばかりに、もろに影響をかぶってしまったんでしょうね。話を創り出す、舞台を生み出す、その困難さが描かれている。この「赤の神紋」は作中劇もあるので、一気に読まないと、わからなくなりそうで。2018/11/08
momo
1
現役大学生であり駆け出し作家な連城響生が鮮烈な榛原デビューをしてしまった一番痛々しい時期の話であり、親友・奥田との馴れ初め話でもある。連城かつてはこんなにガッチガチに真面目な純朴青年だったとは…榛原作品との出会いが彼にとってどれだけ衝撃であったかが窺い知れる。連城に運命のチケットを渡した彼や、青山千冬のように榛原の世界から自然遠ざかることも出来ず、もがき執着し続ける連城の姿を「眩しい」と肯定し、榛原ではなくおまえの言葉こそが好きだと言ってくれた奥田は、間違いなく作家としての連城の生命の恩人だと思う。2014/02/20
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