内容説明
函館・赤レンガ倉庫群近くの海で発見された水死体。水産会社を経営する一ノ瀬祐二だった。遺産相続で祐二と揉めていた兄の和雄が容疑者として浮上するなか、札幌でさらなる殺人が! 和雄の教え子の美緒は恩師の妻に乞われ、壮とともに真相解明に乗り出す。三年前、東京で起こった事件と、二つの殺人の共通点に着目した二人は、凶行に隠された死角を炙り出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
尾塚
10
壮と美緒コンビのシリーズ。遺産相続で争う兄弟。兄が弟の殺害嫌疑が。そして遺産を相談した弁護士も殺害され。ストーリー展開はさすがベテラン作家ですね。読ませますよね。犯人も意外性があって、確かに心理的な死角となっていますよね。ただ最後の物証がちょっとご都合主義的な感じがするかな。詰めもそんな証拠があったのか、みたいなどんでん返しを期待したいなぁ。安定感のある展開で楽しめました。 2016/02/22
紅羽
9
一作目「信州•奥多摩殺人ライン」のみ読了していたので、美緒と壮が結婚していた事に驚きました。巻末の解説を拝読すると、ここに至るまでにかなりの年月が経過していたようで、ずっとシリーズを追いかけてきた読者さんには驚く事ではないんですね。今回は美緒の恩師が巻き込まれた殺人事件。北海道を舞台に緻密な動線と死角を上手く使った犯罪にハラハラでした。札幌の地理をある程度知っているとあぁ、あの辺りかなというのが想像出来て別の角度からも楽しめます。2021/06/26
FUKUIKE
7
★★☆☆☆ まずまずの内容だったかな。 解説によれば黒江壮は山口県萩市出身の設定とのこと!黒江壮&笹谷美緒コンビの作品は他にもあるみたいなので機会があれば読んでみたいと思った!2024/06/24
nori
5
Typical 2 hour drama story as simple trick and unexpected culprit. While it may be hard to find the culprit in incides in Kanagawa, Hokkaido Police may easily find some trances of a man from notary office, as he had contacted victims before crimes.2022/01/26
Tac
5
壮と美緒の結婚後、初の事件です。結婚するまでは、毎回出てきた例のフレーズがなくなってしまったのは、ちょっと残念。黒江夫人と呼ばれて照れる美緒は、ちょっと新鮮でした。事件そのものはそれほど大きなものではなく、毎度のシーンも今回はすぐ終わってしまいました。勝刑事が「見えず、聞こえず」の状態に遭遇したのは、今回が初めてだったんですね。犯人である可能性を整理していた部分は、飛ばし読みです、、。2014/09/11