内容説明
築地本願寺脇の水路に紫水晶の観音像を抱いた女の死体があがった。不審な水音をきいたという裕福な商人もその後、同じ場所で死んでいた。そして内藤新宿でも甲府勤番の斬殺死体が見つかる。背筋をこおらせるような不可解な事件は、新八郎を甲州路へと駆りたてた。シリーズ屈指の謎があきらかにされる待望作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Makoto Yamamoto
9
はやぶさ新八御用旅5巻目。 今回は行方不明になった真面目な甲府勤番の兄を探してほしいという妹弟の願いをかなえるために、根岸肥前守の命で新八郎が甲州街道を下る。 白髪の若い女性が紫水晶の観音様を懐に抱いた死体で見つかっている。 登場人物のすべてをフォローしているわけではないが、楽しめた。 出家する理由はちょっと辛い。2024/04/21
タツ フカガワ
8
行方不明になった甲府勤番の兄を探してほしいという妹弟の願いに、根岸肥前守の命で新八郎が甲州街道をゆくシリーズ5作目。折しも江戸では甲府にゆかりのある人が殺される事件が起きていた。前作同様謎解き旅だけど、本作に限らず行間にはいつも爽やかな気分が漂っている。その気分がこのシリーズの魅力なのかも、と5作目で気がつきました。ところで、吉原近くの日本堤で殺されていた御家人の事件との関わりはどうなったのだろう?2020/05/28
シンドバッド
6
80歳を越えても、シリーズ物を書き続ける著者 筆力ということでは弱くなっていると感じたが、そこそこ楽しめる。この文庫は、ワンコインであり、コストバランスは良い。2014/08/06
ayumi
3
久々の新八シリーズ。街道の地図あればよかったのにな。解決があっさりしている気がしましたが、みんな登場で楽しめました。2014/10/01
さんご
3
このシリーズ、ものすごく久しぶりの新刊だよね。新八くんは相変わらず颯爽としてるねえ。事件はちょっと分かりにくい。そして道中ものは地図をつけてほしいなあ。宿場の名前だけでは上手くイメージできないところもあるので。新八くんを旅に出す理由付けは大変だと思うけどもうちょっと頻繁に読みたいなあ。2014/05/21