内容説明
山形の物産を商っている松倉屋の主人と番頭が急用が出来たといって旅立ち、その別宅で見知らぬ男女の死体が発見された。同時に、大金を産む特産物に関する秘密の書きものを盗んで山形から逃亡した女を探してほしいという話が新八郎にもたらされる。真新しい霜の道を踏みしめて新八郎は北へ旅立っていく!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
55
はやぶさ新八シリーズはこれが最後なのかな?「この男独特の~」で乗り切ってしまう新八郎の描写は読者の好みのままに想像できて好きだ。『~御用帳』の途中からお鯉が「侍女」という肩書になっている部分が気になって…せめて「奥向き女中」くらいにしてほしかった。作者は(読者の人気がいいからか)お鯉さんに肩入れしている様子がうかがえるけれど、個人的には郁江と新八郎は少し天然の入った似たもの夫婦っぽくて好きなのでもう少し二人の場面も読みたかったかも。2020/08/16
あかんべ
10
今度の旅は、新潟ですか。旅先で何を得たのか、謎解きは江戸に帰ってからと、いつものパターンで進むのだが、新八の周りはいい人ばかりでうらやましい。2016/04/15
タツ フカガワ
8
シリーズ6作目。山形藩で代々紅花を管理する原田家で、当主亡き後に妻女が「紅花染め秘帳」を持って出奔した。この秘帳を取り戻すのがシリーズ6作目での新八郎の使命。だがこの事件の真相がとても複雑だった。作者もそう思ったのか、事件を振り返る場面がやたら多い。そのうえ結末もどんでん返しながら、とてもざっくりとしたものでちょっと残念でした。2020/05/29
こまt
4
かわせみでもそうだけど、平岩さんの謎解きは唐突過ぎると感じることが多々ある。でも、語り口は穏やかでとても好き。2016/02/20
kagetrasama-aoi(葵・橘)
3
御用旅シリーズ六作目。紅花の薀蓄が増えて楽しかったんですが、それ以外は二時間のトラベルミステリーって感じでした。相変わらず新八郎と藤助の息はぴったり合っていますね。それはいいんですが、登場人物の動きというか変化が少なくて……。いい加減新八郎夫妻に赤ちゃんが届いてもいい頃だし、それでお鯉も気持ちを切り替えて大竹金吾と結婚しないかなぁ……。最後の紅花染の着物と帯!涎が出そうな程羨ましかったです(笑)!お奉行さま、「新八をもう旅に出さない」宣言してますね、御用旅シリーズ完結なんでしょうか?もう少し読みたいです。2016/03/10