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内容説明
1878年・長崎ー触れた物の未来が見える不思議な少女と、先進と享楽の都・パリからやってきた夢の品々を巡る、豊潤なる人間ドラマ。
両親を亡くし親戚の家に身を寄せる内気な少女・美世は、触れた物の未来が見える“神通力”を買われ、道具屋「蛮」の売り子に採用される。西洋の最先端の品々に触れ、美世が彼の地への憧れを募らす一方で、店主・小浦百年(ももとし)は、没落した女性実業家・大浦慶にある商談を持ちかける。それは欧米でのジャポニズムの隆盛と明治政府の国策を見据えた新事業で……次々と明らかになる“大人たち”の過去と切ない別れの予感に、美世は……
日仏で熱い注目を集める明治ハイカラ・アンティーク浪漫!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まろんぱぱ♪
49
タイトルの意味が語られる、暗い世界を角灯で照らすニュクス。文化と風俗が丁寧に描かれます。美世の幼い恋心、大人の思惑と事情が、心を揺さぶる。幼い美世には男女の機敏に踏み込めない。突然のモモの渡欧の話に、動揺する美世、明るい笑顔が曇ります。コミュニケーション力が未熟な美世が向き合う現実、美世が不憫に感じられる。けど、これってお約束ですよね(笑)おたまとヴィクトールの関係は?岩爺と大浦の間柄は?魅力的なキャラクターたちと世界観、上質な小説を読んでいるようです。早く次が見たいです。2016/12/12
ツキノ
16
再読。美世「モモさんは私の世界をいつも不思議な色に塗り変えてしまう」。岩爺に「母さんの事頼むね」というモモさん。2021/10/18
ぐっち
15
登場人物ひとりひとりの性格が見えてきて楽しくなってきたところで、モモさんがヨーロッパへ?美世といっしょにもやもやします。2017/06/10
豆乳くま
12
電子版無料にて。パリ万博でジャポニズムを目の当たりにした百年は伝統工芸品の復活に美世の養父に依頼。不器用で何をやってもダメな子で、と叔父や叔母に思われていた美世だが百年は大層褒めてあげた。物の価値も人の価値も見る人により全然違うものだ。未だおどおどする美世が早く自信を持てたらいい。そしていつの間にか百年を好きになってしまった美世、知ってか知らずか買い付けのためパリに行ってしまう百年。帰ってくるまで美世は頑張れるのかな。頑張れ。2021/11/26
放蕩長男
9
何だか、私自身の過去に重ねて考えてしまって、胃が痛くなる展開でした。美世、前にフッた女の子に、とてもよく似ています・・・。容姿は決して美人ではないけど、頑張り屋で、本質的には賢くて、自分の知らない世界を見せてくれた男性に惹かれていく・・・。終盤の美世の生気の無い目つきや表情を見て、胃が締め付けられました。あの子も、私の知らないところで、こんな風になってしまっていたんでしょうか。2016/08/30
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