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内容説明
1878年(明治11年)、動乱の幕末は遠ざかり、長崎では海外貿易で莫大な利益を得る商人が多く現れはじめていた。
西南戦争で親を亡くした少女・美世(みよ)は奉公先を求めて鍛冶屋町の道具屋「蛮」(ばん)の扉を叩くが、そこで彼女を待っていたのは、店主・小浦百年(こうら・ももとし)がパリ万博で仕入れてきた最先端の品々と、それらに宿るベルエポックの興奮と喧騒だった……
ジャック・ドゥーセのドレス、ダニエル・ペーターのミルクチョコレート、シンガー社のミシン、セーラー服、エジソンの蓄音機、革ブーツ、眼鏡、幻灯機(マジック・ランタン)……
先進と享楽の都・パリ渡来からやってきた“夢の品々”に導かれ、少女はまだ見ぬ世界へ歩み出す……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まろんぱぱ♪
63
アンティーク浪漫、いやぁ良い作品です。戦中の防空壕での孫に話す美世のモノローグから始まります。この頃の女性として、読み書きできず当たり前に奉公に出されます。道具屋「蛮」そこで見て感じ学び、そして出会いが美世を成長させます。美世の物の過去と未来が見える神通力は、おまけみたいなもの。店主の小浦が見せる海外の文化に、美世は魅せられます。洋服を仕立てたあたりから、自分が必要とされる喜びを見いだし笑顔が増えます。即売受注会のアリス服は可愛い(笑)描き込みも綺麗、面白い作品との出会いとはこういうもんだと実感です。2016/12/11
ぐっち
32
ゆるめの熊本弁が癖になる、ちょっと昔の天草が舞台(追記:天草なのは最初だけで、舞台は長崎でした…訂正)。西洋雑貨屋に勤めることになった美世、雇い主は不思議なゆるふわメガネ。丁寧に描かれる世界観に浸りたくなります。続きも読もうかな?2017/05/28
なっぱaaua
30
最近ジャケ買いしてしまったもの。 明治11年、幕末が終わり海外に目を向け始める長崎での話。持ち主の過去と未来が見える美世の奉公先で起こる諸々の話です。優しいタッチが好みです。明治維新で大きく国が変わろうとしている中で女性の位置づけも変わり、そんな中での美世がどう活躍してくるか、この巻ではまだ分かりませんが、今後の展開が楽しみです。当時の生活がどの様なものだったのかも感じることが出来る構成はなかなか楽しいです。高浜寛さん、初読なんですが、初めての気がしないのはなんでだろう2017/09/17
りー
26
明治11年、長崎。母は既に他界し、更に西南戦争で父を亡くした美世は、叔父夫婦に引き取られる。針仕事も炊事もできないなら、外へ働きに行けと言われ、採用されたのが西洋の輸入商品を扱う店「蛮」。店主の百年(モモ)や裏方の岩爺に出会い、広く心踊る世界へ目を開く。パリ万博、ミシン、蓄音機、クリノン型のドレス、ふしぎの国のアリス、チョコレート…。大浦慶がこの後どう絡むのか、楽しみです。ソルヴェーヴの歌は、私も初めて聞いたとき、泣きたくなったのを思い出して、聞き直しました。良い曲だー😢2021/06/06
放蕩長男
17
明治初期、不思議な骨董屋で売り子として働き始めた少女・美世と、店主・小浦百年(ももとし)の物語です。美世は外国語は勿論、読み書きも帳簿も力仕事もできませんが、物の未来や過去がわかる神通力を持っています。その能力を買われ、百年に雇われて働き始めます。パリ万博で百年が仕入れてきた様々な最先端の品々を扱いながら、美世は店に自分の居場所を見出し、成長し、人々と交流を深めていきます。お気に入りのシーンは、ドレスの丈つめをするところです。美世が機転をきかせていくところに、彼女の隠された有能さが見え隠れしました。2016/05/01