内容説明
苦難に立ち向かわなければならないとき。人に優しくありたいと思ったとき。どうしようもない力に押し潰されたとき。自分のふがいなさが嫌になったとき。大切な人を失ってしまったとき。とてつもない悲しみに包まれたとき。こんなとき、大人ならどう考え、どう振る舞うのだろう。二十歳で弟、三十五歳で妻・夏目雅子との死別を体験してきた作家が語る、強くやさしく生きる方法――。シリーズ累計140万部の大ベストセラー第一弾!
目次
春
夏
秋
冬
愛する人との別れ~妻・夏目雅子と暮らした日々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
159
前から読もう、読もうと思ってはいたものの、なかなか読み始めるタイミング?を逸していたエッセイです。タイトルがまずシビれます。この後、シリーズ化され、今も継続中ですが、書いてあるコトのひとつひとつがとにかく'深い'です。正しい、正しくない云々ではなく、こうと決めたらこう生きるという、ブレないダンディズムがカッコよすぎです。時折出てくる「家人」こと奥様がまたサバサバしていて頼もしいです。最後に夏目雅子さんとのコトが綴られており、なんとも言えない雰囲気が伝わる文章でした。自分の'流儀'を一つでも学びたいですね。2019/11/09
きさらぎ
115
子供のように無邪気なところやカワイイ一面を持つ大人は好かれるが、子供のような子供ではダメだ。いざという時、大人でなければ。人が窮地にある時は自分を差し置いても手を差しのべたり、掲げる目標は理想ではなく実現可能なレベルであったり、人生は総じて割に合わないものだからと平然と受け入れて生きる。やっぱり私は昭和の男が好きだな(笑) 25年の歳月を経て夏目雅子との出会いから別れまでも書いている。親しい人との別れは自分の無力さを思い知るが生きていればいつか亡くなった人の笑顔を見るときがくる、哀しみにも終わりがある。2017/10/15
かずー
97
伊集院静のエッセイ。大人とはこうあるべきであると強い口調で言い切る姿勢は尊敬できる。強い男なんでしょうね。ギャンブルで借金を作る、喧嘩をするなど駄目な所があり尊敬できない。墓参りに対する姿勢などは理解できたた。本当の大人への道のりは険しいと感じた。 最後の夏目雅子に関する話は感動した。2020/10/01
団塊シニア
81
鳩山元総理の辞任会見に触れてる、母親から10億異教の金を受けとっていながら知らなかったという辞任の弁である、こんな大人がしかも総理大臣が平然と話せる国に日本はいつからなったのだろうか?と痛烈に非難してる内容には共感を覚えます。2013/03/11
Willie the Wildcat
76
繊細な方なんだなぁ、というのが第一印象。新作を読んでもらえるかどうかが気になる点は特に記憶に残る。本文では、「今の世の中何事にも回答を求めるがごとくの傾向はいかがなものか。」に同感。だから”無所属の時間”は有用。正に読書がそんな時間ですよね。巻末の夏目さんの部分では、夏目さんが亡くなられた日にタクシーを母子に譲った点が印象的。一見破天荒な生き方に捉えがちだが、氏の本当の顔を少なからず垣間見ることができた気がする。2012/04/28