内容説明
I like an apple. という英文が、なぜ間違った文か説明できますか? 本書は、英語の冠詞と名詞にかかわるさまざまな「謎」を解き明かす、推理小説のような英文法書です。英文法で不思議に思われること、これまで教わってきたことが実は間違っているというような現象を取り上げ、ネイティヴ・スピーカーが実際にどのように冠詞や名詞を用いているのかを明らかにする。大学生から社会人、英語のプロまで目から鱗の1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊介
10
なかなかのディープさが自分好みの英文法解説書。教科書などに載ってないような、英文法の規則における例外をいくつかピックアップ、なぜその例外が生まれたのかを掘り下げる。一見、何の脈絡のないように見える例外現象も、掘り下げてみたらきちんとした合理的な理由があるのだと分かる。それだけに説明は煩雑にならざるを得ないが、確かに謎解き感覚で面白い。頭の体操としてもいいと思う笑。でも確かにこんなこと全部教科書に載せてたら受験生の頭がパンクするだろうな。。シリーズものらしいので他のも読んでみたくなった。2021/08/20
Nobu A
6
日本語言語学の方が有名なハーバード大学久野暲名誉教授と学習院大学文学部英語英米文化学科の高見健一教授の共著。受験英語の先を行く内容。多くの学生に勧めたい。TOEFLやTOEICで満点を目指そうと思ったら、本著のような英語を体系的に理解できる解説書を読むのが結局は近道。着実に積み上げられる。談話形式のも含む豊富な例文と明晰な文法説明。所々若干難解だが。時折英文法を振り返えるのに役に立つ。ところで、日本語特有だと思っていた「うなぎ文」の英語版があるのには驚いた。やはり語学は奥が深い。本シリーズ他著も早速購入。2021/03/09
くにお
2
薄いのですぐ読めた。英語の冠詞・名詞に関する(学校)英文法の「常識」とそれでは説明できない「ナゾ」を提示し、言語学的議論に基づいた新仮説を提示するという流れになっていて、とても論理的で読みやすい。各章がHandbookの小論文のような感じ。疑問詞のwho(7章)、関係代名詞のwho/which(8章)などとても明快だった。一応の説明は提示しつつもナゾはナゾのまま、まだまだ未解決の言語学的問題があることも示唆しているところが良い。一般読書に読みやすいかどうかは微妙だが、普通の文法書よりは格段に面白いと思う。2016/07/07
てながあしなが
2
大変参考になる。うやむやにしていた部分を、疑問が残らないように説明してくれる。特に、「人を表す語の後ろにもwhichが来ることがある」というのは目から鱗でした。2016/06/13
Annabelle K
1
英語を感覚でやっていた帰国子女が、ライティングが頭打ちを喰らったので、改めて文法をあたろうと手に取った本です。論文調の書き方で、難しい内容が整然と頭に入ってきます。ライティングの向上に直結する内容(「a」と「the」の章)もあるが、ネイティブに取ってどう聴こえるかという口語的ニュアンスの説明が中心。 真っ当な英語勉強に疲れて、読み物としても楽しめる英文法ものをお探しならピッタリの商品。2022/02/03