内容説明
三人悪のてつし、椎名、リョーチンといえば上院町で知らぬ者はないワルガキども。三人が唯一恐れるのは通称「地獄堂」のおやじだ。ある日彼らは、幽霊が出ると噂の池の傍で人骨を発見してしまう。おやじから授かった不思議な呪札と呪文で、三人悪は異世界の扉を開くことに。「妖アパ」「大江戸妖怪かわら版」に続く、香月日輪伝説のシリーズ、ついに文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キック
64
香月先生のデビュー作。子供向けだと侮るなかれ、代表作「妖怪アパート」とは異なる硬派なファンタジーに仕上がっています。見事な香月ワールドでした。内容は、小学5年生の悪ガキ(と言っても正義感の強い腕白という印象)3人組が、不思議な能力を授けられ、お化け達(地縛霊、死神、生霊等々)の絡んだ事件に挑むという内容。人間の陰をえぐるような作品が多く、子供向けとは思えませんでした。幽霊の怨念は凄まじいパワーを持っていますが、最も恐ろしかったのは、一見いかにも善良で無害な人間の隠し持った憎悪(第二話)でした。2019/06/02
あーさん★まおりゅうにハマってるよ!(≧▽≦)
55
再読。2020/03/20
雷華
25
児童書で(2巻を特に)完全版で、漫画で回数なんて数えられ無いくらい読みふけったシリーズです。何度読んでも面白い。ワルガキ三人悪のてつし、リョーチン、椎名がひょんな事から怪しさ満点の地獄堂の店主に貰った不思議な力で様々な事件を解決する著者デビュー作。好きすぎて語ろうとすると枠が全く足りないので色々割合 。この年になると、彼らの駄目な所も結構目につくもののそれらを差し引いても夢中になれる。特に児童書を周回したためか、上嶋先生の挿し絵の幻影が見えてしまう……みもり先生の地獄堂愛も後書きから感じる最高の文庫化。→2015/10/02
はなん
24
始まりは違和感と戦いつつ。「妖怪アパート」で感じたものがこちらは更に強いな、とも思って戸惑ったのだが、デビュー作なのですね。読み進めるうちに違和感は置いておいて面白い部分が勝る、かも?と変わる。10歳の男の子たちの真っ直ぐなエネルギーは素直に楽しまないといけないな、とも。この内容で初めは児童書であったということには驚いた。かなりキツイ内容も含まれていると親目線では正直感じるものもあったので。でも。子ども時代にもし読んだら、理屈抜きでそのまんまを楽しんだのかもしれないな、とも。続きも読んでみたく思います。2017/02/04
糸桜
19
読み始めはちょうど主人公の年齢的なこともあるのかもしれないけど、妖怪アパートの幽雅な日常の方が面白かったなあと思って読んでましたが、読み進めていくうちに、こちらもこちらで良い作品だと思いました。 特に最後の章がずしりときました。その最後の章では失恋の苦しみのあまり生霊になった霊が出てくるのですが、恋というのはなかなか大変なものだと思いました。もちろん良い方に傾くことだってたくさんありますけど。いろいろ考えさせられました‼︎面白かったです‼︎2016/05/09