内容説明
良家の若妻・真樹子は、そろそろ1歳の娘と朝の時間を優雅に過ごしていた。そこへ、出産の時に病院で世話をしてくれた初江が、突然訪ねてくる。表面は人のいいおばさん風だが、何か薄気味悪い感じのする女。彼女が帰った午後、刑事がやって来て……「来訪者」より。人生、男女、心など、人間が生み出す数々の謎をモチーフに描く、鮮やかで洗練された珠玉のミステリー10編。
目次
趣味を持つ女
来訪者
マッチ箱の人生
茜色の空
箱の中
ナポレオン狂
粘土の女
姉妹抄
恋は思案の外
蜜の匂い
自作解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
91
10編のミステリーが口を開けて待っていました。どれもこれも面白い作品ばかりです。意味が分かると怖い話、といったテイストを感じました。ゾクッとしたり、そうかと唸らされたりするだけでなく、男女の機微もあり。日常のようでありながら気がつくと非日常の世界へと誘われている怖さがありました。最後の数行で背中が凍るような感覚はやみつきになります。2015/09/29
優希
42
再読です。人々が織りなす様々な謎の鮮やかさに酔わされます。洗練された上質のミステリーと言えますね。日常にいるはずが、気がつくと非日常の世界へと誘われる感覚が好みです。最後の数行で背中が凍るような怖さへ突き落とされる感覚が好みでした。2024/04/29
読書家さん#lfJKjP
39
ナポレオン狂のゾッとする最後の余韻ーーマッチ箱の人生も面白かった。最後に余韻が残る作品って飽きないね。又数年したら読んでみたくなる様な😃良い読書体験ありがとうございました。 2024/07/18
margarita
12
ゾクッとしたり、やっぱりと思ったり、男女の機微あり、なんやかんや色々入っていて面白い。むかーし昔に読んだ短編もあって、今読むと感想が違うのも面白い。まぁ、中学生だった私にはわからんよなぁ(笑)日常のようで、非日常。そんな世界観は抜群ですな。2014/05/30
カープ青森
10
短編小説の達人。かなり昔に短編集を何冊か読んだことがありますが、本編は正に好いとこ取りの1冊です。阿刀田作品の短編の中でも名作傑作の寄集めです。趣味を持つ女、来訪者、マッチ箱の人生、茜色の空、箱の中、ナポレオン狂、粘土の女、姉妹抄、恋は思案の外、蜜の匂い、いずれも構成の巧みさ、ブラックユーモア、男女の機微などを見事に表現しています。改めてスゴい方です。2024/04/19
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