内容説明
横浜のホテル。偶然再会した先輩の部屋で男同士飲み始めた。先輩は、部屋から見える窓に特別な想いを……「夜間飛行」。作家が、京都の宿で“かじ”と書かれた墓を見た。その夜、“藤十郎の恋”のお梶が夢に出て……「お梶供養」。角田の仕事は、高層ビルのガラス拭き。遊佐は作業のいい相棒。新婚の角田は、遊佐にも相手が見つかるようにと…「危険な場所」。切なく悩ましい男女のエロス&ミステリー11編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
87
久々に阿刀田さんの作品を読みました。面白かったです。エロスとミステリーを絡めた短編集。艶かしくてミステリアスな男女の関係が何とも言えません。ブラックユーモアを好んで読みますが、こういう大人の味わいもまたいいものです。2017/03/31
まっと
33
阿刀田高が紡ぐ不思議な余韻を残す短編の世界を久しぶりに。これまでの作品群の中からテーマ別に再編成された「阿刀田高傑作短編集」シリーズ、出典を見ると当時(80年代から90年代にかけて)読んでいたはず、というものが多いのだが、いい感じで思い出せず、楽しめた。時代もあってか多少古い感はところどころあるものの、懐かしさが勝ったのか、あまり気にならず、むしろ当時楽しんでいた登場人物たちの軽妙な台詞回しやあの読後感が心地よかった。2025/03/20
*asami*
17
初読みの作家さん。2000年以前に発表された短編をジャンル別に分けシリーズ化したもののひとつだとか。本作は“エロス&ミステリー”となっているがさほどエロスは感じず、強いて言うなら“ホラー&ファンタジー”かなと。新幹線である男から「いい靴ですね」と話しかけられた女性の話「靴の行方」と、恩師の家で百物語をする話「奇談パーティ」が印象的。2016/09/08
harhy
16
男女の関係の短編集。相手の不幸と過去の思い出を絡めながら描き出したものがいくつかあるが、読後に不思議な余韻が残る。2014/01/04
そのぼん
15
不思議で、少しエロチックなストーリーが多かったです。気楽に読めました。2012/06/17