内容説明
皇帝グールに対しついに反旗を翻したオルバは、辛くも緒戦に勝利しビラクを手中に収めた。 帝都ソロンでは皇帝の専横がますます目立ちはじめ、メフィウス国内の風がオルバに吹き始めるかに見えた。しかし、隣国ガーベラとエンデでも内紛が起き、それがメフィウスにも影響を与え始める。 ネダインでの反乱、そして竜神教の不穏な動きなど刻々と変化していく緊迫した情勢の中、オルバが選ぶ次の一手とは。そしてビリーナの覚悟とは。皇帝VS皇太子の行方ははたして―― ?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
14
不遇ヒロインビリーナがメインの回。皇帝、皇太子がともに迂闊に動けない状況の中メフィウスに侵攻する自国の問題を解決するために動いたビリーナ。彼女も立派な主役ですね。その結果ギルも動くことが出来停滞していた状況を再び動かすことが出来た。理解しあってはいないがどこかで繋がっている二人の姿は素晴らしい。ギルだけじゃなくビリーナも国を代表する王族として成長した姿を見せてくれましたね。物語もいよいよ終盤に差し掛かったが数多く残っている伏線を回収しきれるのかが不安だな。2014/01/26
佳蘋(よし)
11
ライラのフラグは回避できそうで回避しきれない。てゆーか、色んな人に知られたのに、ビリーナにはまだですね。ヒロインの立場が・・・・。こうなったら、うっかりバレた展開より、オルバ自身から告白してほしいですビリーナに。2012/04/09
のぶ君
9
他の本にはない空気といいますか、雰囲気といいますか。某ゲームの主人公は「僕にこの手を汚せというのか」なんて嘆きますが、あれが一般の感覚なんだなあ、と痛感。貴き責任。ノブリスオブリージュなんて言葉がありますが、核の少年少女が地でそれを果たそうとする姿は、果敢で勇猛です。まだ、課題の残る中クライマックス「最高潮」に達しようとする今巻。あとがきの短さに作者のギリギリ感が伝わり、また永い待ちの時間がやってくると考えると、まだ続くことの安堵感が伴って楽しみやら待ち遠しいやら。まだ続け!と思わずにはいられないです。2012/01/10
彩雲
8
今回もたくさん見所のある一冊でした。グール、シモン、ビリーナ姫の活躍が描かれています。しかし、私が一番痺れたのは、敗軍の将たちとギルの真剣勝負。漢が漢を主君と認める瞬間は歴史物語の大きな醍醐味。その楽しさは恋物語における少女が恋に落ちる瞬間に、そして青春物語における友情が結ばれる瞬間に匹敵すると思います。それはそれとして、物語の暗黒面の動きが怖いなぁ。あと東方の国エンデの動きがどう反映されるのかも気になるところです。2012/01/15
永山祐介
7
今作ではパーシルが駆け付けるシーンが好きです。ライバルとも忠臣とも違う距離感が良いですね。見届けてやる、という気持ちなのかな。2012/01/11