内容説明
西方より舞い戻り“皇太子ギル”として復活をとげたオルバ。ビリーナとも再会を遂げ戦いに向け準備をはじめる。 一方、皇帝グールは帰還したギルを偽物と断じ、一軍をアプターへ差し向ける。 圧倒的な戦力差のなか、皇太子として反皇帝の狼煙をあげなければいけないオルバは、寡兵をもってして鮮やかな勝利を得るべく策を練る。 両軍はついに激突の時を迎えるが──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
19
皇子ギルが復活したことで荒れるメフィウス。遂に皇帝との戦争がはじまりましたね。今までは執念で生きていたオルバが初めて「死」への恐怖を覚え戦争を迎える。最後まで死ねないオルバの戦争を通した精神の成長が良くわかった。自分の為ではなく死者と共に向かうオルバの戦いはどうなるのか。オルバのよき理解者であり彼をいつも支えていたシークの「死」も特別なことじゃないのが戦争なんだよな。ビリーナがまたもや空気になり始めているんだけどどうなの?2014/01/24
のぶ君
13
人を信じるとか、人に頼るとか。そんなことを学んでいく主人公が最高にかっこいい。一人前ぶりたくて、でもまだまだ、未熟で。今度は人の命を、それも多くの信条とかひっくるめて背負った彼がこれからどう生きて行くのか?失ったものも多いけれど、これから見出す未来にはそれ以上の価値があると、僕だって彼の部下だって信じてるんだ。今巻、フェドムも絡んできたし、ゼノン殿下もいい感じだし、ラバンなんて物語の中核になってきそうだ。ランだって、そう。彼らの未来がどうなるのか。非常に気になるので杉原先生には頑張ってもらわないと…2011/09/12
佳蘋(よし)
12
オルバが本当の意味でギルになろうとした巻。息つく暇もないまま、最後まで全力疾走。それにしても良いおっさんですね。2012/01/29
コン
8
相変わらず面白い。このシリーズは本の厚みを感じさせないから、分量に比べて常に薄く感じて、いつももっと先を読みたいと思わせてくれる。今回もメフィウス同士の戦いや、女性陣の不吉な伏線はり、そしてシークの死といったイベント満載で、次巻を非常に楽しみにさせてくれる内容でした。2012/01/27
カロ
8
ランとの仲良しっぷりにニヤニヤしました。なんだか兄妹のようにじゃれあってるのが可愛らしい。素のオルバも垣間見えて、二人の信頼の強さがわかりますね。戦闘も熱い展開にワクワクさせられ流れが勢いよく進んでいくのがたまりませんが、オルバのおかんともいうべきシークを失ったのが辛いです。おそらく烙印の中で最もオルバを理解していたであろう彼が、穏やかに逝けたのがなによりの救いですが、やはり悲しい。オルバも彼の遺体のそばに一時間も寄り添っていたという。片割れを失ったオルバの今後が気にかかります。2011/09/17