内容説明
「Fwd:ジョンの都市伝説、知ってる?」徳永を巡って抗争となり、捜索隊を襲い始める五大自警団。明らかになるトウコの秘密。笹浦たちは自警団の〈遊動〉と人生を賭けた勝負をする。伊隅とホノカは、ファブリと連絡を取り始めるが…。「ですが先生、私はそこでひらめいたのです。これはかえって好都合かもしれません。彼女を海に落としてしまえばいいのです。これならば返り血を浴びることもありませんし、吐瀉物や排泄物の後始末をする必要もありません。これです。これが最良の方策です。私は確信しました。海です、海こそが正解です。完璧な場所なのです。海はすべてを受け容れ、すべてを裁くのです。ああ、これはどなたの言葉だったでしょうか。憶い出せません。ですが、それはまさにこの世の真理を指摘しているのだと私は思います。すべての生命は海から来たのです。そこへ還してあげることに、何の不都合がありましょうか。」(パート8「Riders of the Mark City」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(●▲●)とらうまん(*^◯^*)
6
未だ〈17〉の正体が掴めずにいるなか、各々の登場人物のいろんな隠された面が明らかになっていきます。 自殺にイジメに都市伝説、ライトな文体ながら題材は重い重い。とりあえずマーチはいっぺん死んだらええ(笑)2014/02/10
しゃお
4
リンクしていく言葉はそれぞれの登場人物がどのようにリンクしていくのか、リンクしていたのかが少しずつ明らかにされだして物語は加速していきます。しかし突拍子もないと言えるような展開についていけるかどうかでこのシリーズの評価が大きく分かれそうだなぁ。2010/07/31
星野流人
3
今回は伊澄と歩乃果が共犯となり、ノブたちが遭難し、陶子さんの暗黒面が露出し、マーチがどんどん株を下げ、笹浦たちは野球をし……いや、もう徳永の自殺どころの騒ぎじゃない。大量の伏線がばらまかれ、いくつかの伏線は回収されても、しかし話がまとまる気配はまったく無い。もう折り返しだというのに、こんなにもバラバラなことになっていて、ホントに6巻で終わるのか……!? しかしバラバラな展開なりに、意外なところで繋がっていたりする部分も多くあり、全貌の把握はなかなか困難ではあるが、良質な群像劇。2012/03/28
蒼@灯れ松明の火
3
混迷化していくにもかかわらずどんどん加速的に面白くなっている。トウコの仮面の中身には驚かされたし、笹浦の過去の吐露には少し寂しさを覚え、温井川の話にはホロリとさせられた。あるものは償いにあるものは正義としてあるものは名誉。各々の目的も見えてきて次巻からの展開が大いに気になる。2011/12/20
山像
3
自警団の抗争なんて要素が入ってきてメインの15人以外が話に占める要素が多く、そしてなんか大味な小説になってきたなーと思ったのが前巻、しかし4巻では再び緻密な構成が持ち直した印象を受けた。それにしても生と死という問題意識に強烈に訴えかけてくるエピソードが続く……面白い。4巻では、これまでほとんど他の主人公キャラと絡んでくることがなかった温井川聖美と祖母との対話シーンが格別に良かった。2011/09/27