内容説明
杉下幽斎が町医者の看板を掲げる施薬院幽々庵のすぐ傍にある養護院草の実荘に、盗人一味の手先をしていた年端もいかぬ子供四人が連れてこられた。草の実荘に暮らすお辰の息子の徳次らは、突然現われたみすぼらしい子供たちの姿に驚きを隠せずにいた。そしてこのあと、草の実荘の子供たちに大事件がふりかかる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
136
すこくろ幽斎診療記「麦笛 」3巻。2巻「梅雨の雷」読了から半年ぶり、今井作品登場人物が多いのを忘れていました(^_^;)完成した養護院草の実荘が中心、幼い洋平ちゃんが亡くなったのは悲しいが、子供たちが、元気にたくましく育っていくのが良いですね。連続して読もう。2015/04/23
shizuka
49
まだまだ序盤だけれど、なんかうるうるさせられる話が増えてきた。まさか洋平ちゃんがなあ、、、あんな結末になるとは。悲惨なできごとはあるけれど、誰も責めることはできない。一番辛いのは徳坊だとは思うんだ。若干14歳とはいえ、その場にいた年長者だもんね。でもよく乗り越えた。もっと強い男になれたね、徳坊。お辰さんの子供へ分け隔てない愛を注ごうという気持ち、正直すごいなあと思う。実子が死ぬか生きるかって時に、川に流された洋平の元へなんて普通、かけつけられないでしょ。「みんなのおっかさんだ」の言葉に嘘偽りはない。立派。2017/04/07
たーくん
8
貧しき民のために、町医者杉下幽斎が開いた施薬院幽々庵。その幽々庵のすぐ傍にある養護院草の実荘の門前に、生後間もない赤子が捨てられていた。さらに、捕縛された盗人一味の手先だった四人の子供を引き取り、俄かに大所帯となった草の実荘。やがてその草の実荘に大事件が降りかかる。命の尊さ、市井に生きる人々の心の通い合いを細やかに描く書き下ろし時代小説、好評シリーズ第三弾。2017/12/08
Ishiko
6
養護院草の実荘に新たな子供たちが加わり、ますます賑やかに。子供に振り回され問題事も出てきますが、救われる子供が増えることは喜ばしい。途中で何度も涙腺が決壊しそうになるのは、困りものです。2015/04/27
ツキノ
4
シリーズ第三弾。またまた子どもたちが増えた養護院草の実荘。「人は情けの器物(うつわもの)」という幽々庵の庭訓がいい。2012/01/20