内容説明
心の臓の発作で父親に先立たれ、母親も殺されて孤児となった三歳の弘喜を引き取ることになった養護院草の実荘。その草の実荘で孤児たちの母親を自認する産婆のお辰は、臨月を迎えた妊婦おやすが住む裏店に往診に出かけたが、腹の中にいるはずの赤子に動きが無く……。感動の書き下ろし時代小説第四弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
136
すこくろ幽斎診療記「きっと忘れない」4巻。もつれた糸が解きほぐされていくような展開、命の儚さ、残された子どもたちが少しずつ心を通わせながら成長して行く姿がいいですね。2015/05/01
shizuka
56
草の実荘にどんどん子供が増えていくこと、読者としては嬉しいけれど、何かしらの理由で親と暮らせない子供が増えるということなんだから、本当な良くないことなんだよね。でもやっぱり新メンバーが増えると嬉しいんだな。それは一重にお辰さん、小夏ちゃんの子供たちへのまなざしの温かさとすこくろ先生の陰で支える大きな力、そして子供たちの無邪気でかわいらしい様子が魅力的だから。今回はお武家の子がみなしごに。今までの子供たちと身分、境遇が違うからどう馴染ませていくのかと案じたが、なるほど。徳坊の言葉で急展開。盛り上がってきた!2017/04/07
Ishiko
6
すこくろ幽斎診療記第4弾。子供の哀しい境遇に心が痛みますが、周りの人たちの暖かな心配りで幸せになれればと思います。あんなに荒れていた睦月が、人を思いやり助けるまでに成長した姿は嬉しかった。2015/06/01
たーくん
4
町医者杉下幽斎が開いた施薬院幽々庵の待合は、今日も貧しい患者たちで押すな押すなの大騒ぎ。その幽々庵のすぐ傍にある養護院草の実荘では、またもや身寄りのない幼子を引き取ることになった。そんな折り、草の実荘を預かる産婆のお辰は、臨月の妊婦おやすを診察するため十軒町の裏店に向かったが…。人の生命の儚さ、心の通い合いを細やかに描く書き下ろし時代小説、好評シリーズ第四弾。 2018/09/02
ツキノ
4
すこくろ幽斎診療記第四弾。第三弾から読むのが2年ぶりになってしまった。読みながら状況を思い出したかんじ。「きっと忘れない」のは洋平のことだったとは…川合俊輔とすこくろさんの出会いの場面もあり。源三の、直輔をどうしたらいいかの意見が素晴らしい。2015/01/24