内容説明
伍子胥は父・五奢、兄・伍尚とともに楚に仕える身だった。だが、楚王の佞臣・費無極が弄した奸計により、父と兄は誅せられてしまう。血涙を振るって危地を脱した伍子胥は、「つぎに楚都にくるときは、楚を滅ぼすときだ」と復讐を固く誓いつつ中原諸国をさすらうのだった。大河中国歴史小説の伍子胥篇、第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
89
やっち中盤まで来ました。父や兄は陰謀にあって殺されてしまいます。このような場面などを見ると本当に中国という国は、昔から自分の身分などが脅かされる人物が出てくるとそれを抑え込んでしまうような国柄だというのが今の状況を見ても変わりはないということがわかります。伍子胥は楚を逃れて雌伏の時代に入っていくというのがこの中盤の状況なのでしょう。2015/10/01
Ever531
34
前巻までの話を完全に忘れてる状態でしたが、普通に面白く、サクサク読めました。ほんと、中華ものでよくある、徳の力って偉大だなと。全て徳でなんとかなる(笑)2018/09/03
Haru
26
楚を脱し、太子建を擁するために宋へ。ここでは申包胥の庶弟である小羊との出会いが。宋から鄭へ、死地を乗り越えついに呉へ。季子、呉王僚、公子光らに歓迎され、つかの間の安寧。3巻でやっとこれまで出てきた大量の人物の相関が分かる。子胥の人材を見つけ活かし、また人との縁が更なる人材を呼ぶところがひとつの才能かも。さて初恋の人とも結ばれ、足許が固まってきたこの地から、子胥の楚王への復讐は始まるのかな。今までは血生臭くも冒険譚の面白さがあったけど、これからは暗くなってきちゃうのか。2018/08/14
のりあき
25
第3巻にきて変化と伏線回収によって、ストーリー的に面白くなってきた。前巻の悲壮感を払拭し、英雄のサクセスストーリーが始まってきた感じです。この巻においても、人間の性、人材の質、人生の捉え方などに言及する下りが多く、非常に人生勉強になる作品だと感じている。2017/05/12
Book Lover Mr.Garakuta
20
歴史の中から活路を開く道を探しながら、人生の模索をしつつ、自分がこのような立場に置かれたら、一番に酷い目に遭いそうになると思うが。この様な生き様もあるんだと思い人間関係の軋轢の中での生き方が参考になる。要再読。2020/11/02