内容説明
中学一年の八田美咲は、寡黙な同級生、伏見猿比古に惹きつけられていた。この偏食の眼鏡少年は、八田にはない聡明さを持っていたから。伏見もまた、次第に八田を必要とするようになっていった。この小柄な少年は、伏見の持たない不思議なエネルギーと優しさを持っていたから――。彼らの小さな冒険。より大きな力への憧れ。だが、彼らが少年だけの世界から抜け出した時、待っていたのは、決別だった――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キキハル
22
これは伏見の物語だ。吠舞羅から離れ青のクランとなった彼が、八田との出会いから別れまでを回想する物語。中高生という多感な時代に、世界を変えてやると二人でつるんでいた時のきらめきや全能感に気分よく酔っていただけに、時を経て覚えた齟齬が切ない。お互いの立ち位置は違っても、あの小さな世界はちゃんと胸の中にあるから。いつかまた穏やかに話せるといい。アニメや映画は未視聴なので空白が多くよく分からないのだが、学園島事件って何?周防どうかしたの?気になることがありすぎて落ち着かない。今度の映画は是非見に行かねばなるまい。2014/04/23
こよみ
14
Kのノベライズはいい作品が多いと思う この二人がいつかまた分かり合えたらいいなと思いました2014/07/09
しば
10
友人にKをオススメされて、アニメを観て猿比古が好き!って伝えたらこれを読め、、と。猿!ああ猿!こんな過去があったんだね、、、と感慨深く。アニメだけだとわかりにくなった猿の美咲への執着?みたいなものが良くわかった。某通販サイトのレビューでは5段階の2とかが多いけど、猿と美咲の物語としては完璧なのでは、、、。2015/09/30
海宇未悠(うみゅみゅ☆)
10
伏見猿比古を知るための小説でした。 生い立ちから、八田との出会いで何がどう変わったか。吠舞羅に入って、何がどう変わったか。何故セプ4に入ったか。 とても切なく、こう…もやっとした感情が残る部分もありましたが、ある意味、とても納得の出来るお話でした。家庭環境って大事ねぇ。2014/04/06
さんがつ兎
7
伏見が主人公、でいいのかな。1人だけだった世界が広がって、広がったから手が届かなくなって…という痛いような切ないような話。アヤの存在はもっと深く2人に関わるのかと思ったらそうでもなくて、あんなに近くにいても立ち入れないような2人だって別離してしまうということなんだろうか。嫌いなわけではないのに息がし辛いのはどれだけ苦しいのだろう。父親の面影を意識的に自分で飲み込んだのだろうけど、伏見は仁希ほど狂ってないから無理してあのテンションを作ることになるんだろうか。痛々しいな。2014/06/11