内容説明
骨董目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分の捕物を助けて江戸の難事件を解決している千太郎は、稲月藩三万五千石の若殿の仮の姿。田安家ゆかりの由布姫との祝言の前に出奔していたのだ。お忍びで町に出た由布姫はたまたま千太郎と出合って惹かれ合い、奇想天外な事件の謎解きに、健気に大胆に協力する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sken
4
押しつけられた縁談を嫌って町に出た若殿が記憶喪失のふりをして古物商に目利きとして居候しつつ、市井で起こる事件に首を突っ込んでいる内に、縁談の相手の姫様がお忍びで町に出ているところに出会って、なんだかんだで本人たちは互いの身分に気付きつつ、お供の者をはじめとする周りは何も気付いていないという持って回った設定のお話です。主人公の千太郎の茫洋とした雰囲気でけっこう侮られたりしますが、実は剣の達人かつ美術品の知識と鑑定眼は大したモンで、表題になっている話は結構力業ではあったりしますが、わりと楽しめる作品っす2013/04/24
壱分銀知恵
3
早く夫婦になっちまえ!周りが大変!でも楽しい(^o^) 2013/04/27
めにい
2
お気楽で自由な生活と許嫁との恋愛。これで結婚しようと思う方がどうかしている(笑)。シリーズはまだまだも続いているようで、このままの状態なのかしら?2015/05/22
いえのぶ
1
大名の若殿が結婚がいやで屋敷を夜逃げする。相手の姫がお忍びで江戸の町を出歩いたときに二人は偶然知り合う。互いに相手の素性に気づいているが岡引の親分の手伝いで事件のなぞを解く自由気ままな生活がよく、知らん振りをしている。今回はタイトルの花瓶に関わる話、贋作の絵師、埋蔵金探し、姫暗殺のうわさの4編。若殿の会話の間合いのはずし加減が面白い。2013/04/26