内容説明
下総三万五千石稲月藩の若君・千太郎は御三卿・田安家ゆかりの由布姫との祝言までの日々を気ままに楽しむべく、江戸下屋敷から夜逃げした。その夜、浅草奥山で知り合った骨董商・片倉屋の離れに居候することになった千太郎は、骨董目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分を助けて江戸の難事件解決に挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ikyo_01
6
新シリーズということで。 若殿・千太郎は、別のシリーズの幸四郎様よりは若々しい感じ。なかなか頭が良く、剣の腕も立ち、育ちの良さがいい感じに世間知らずで好感が持てます。 弥市親分も すんなり連れ立っているのが少々疑問の部分もありますが、とてもいい人。ただ別のシリーズで読んだ同じ設定の話が出てきたのはちょっと気になりました。 この次は街中で由布姫と出会って知り合いになるのだろうか? しかし市之丞もうちょっとしっかり。2011/02/08
めにい
5
すごくサクサク読めました。すごく面白いかと問われればそれほどでもないし、結末も見えているけれど、まあ軽く楽しい読み物です。2015/03/10
カバン
5
祝言を前にした若様が、自由を求めて江戸の町に逃げるというありがちな設定です。軽いタッチでとても読みやすく、私はすごく面白いと感じました。スピード感もあり、さくさく読めるので、おすすめです。2015/02/22
とく たま
3
大名家の殿が隠密もしくは家出して市井で騒動を起こしたり難題を解決したり事件に巻き込まれるというよくあるジャンル。なんとも分かりやすいこの流れが好きだ。婚礼を控えこっそり屋敷を抜け出した大名家三男が茶店で茶器の鑑定をぼそっと呟いたところから、古物屋の離れに居候となる。古物屋主人の知り合いの岡っ引きを引き連れて事件の謎を明かしてゆく四話。殿を探す家人、またいいなずけも街へこっそり繰り出していたりと、騒々しさの中に可笑しさが漂う。2018/03/02
金運無しの助
1
お屋敷から逃げ出した若様、お忍び好きのお姫様、難事件、と、娯楽時代小説好きにはたまらんアイテム揃って…揃ってる筈だけど、何か残念。てゆーか姫と若様すれ違ってもいないし(若様的には)。続編あるなら姫の出番と活躍もみたいですよ2010/12/27