闇のファンタジー

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闇のファンタジー

  • 著者名:一柳廣孝/吉田司雄
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 青弓社(2014/07発売)
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  • ISBN:9784787291950

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内容説明

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岩井志麻子のインタビューを筆頭に、宮沢賢治や山田風太郎の文学作品から諸星大二郎のマンガ、『キノの旅』『うみねこのなく頃に』などのラノベまでを射程に収めて、光と闇の二項対立に収まらないファンタジーの漆黒を凝視し、闇の物語の現在をあぶり出す。

目次

「闇」への想像力をかきたてるために――「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝

はじめに 一柳廣孝

第1章 光と闇の狭間で――岩井志麻子インタビュー 聞き手:一柳廣孝/吉田司雄
 1 ファンタジーの対極にせり上がるオカヤマ
 2 「私の岡山」「私の明治」
 3 境界を壊すというモチーフ
 4 新しい毒婦を描く
 5 「私がダークファンタジーかも」

第2章 光と闇の物語
 闇はすぐそこにある――諸星大二郎をめぐって 表 智之
  1 オカルト・ブームと『妖怪ハンター』
  2 名指しえぬ不定形のモノたち
  3 『暗黒神話』と類比のスペクタクル
  4 神話語りと人々の紐帯
  5 融解する光と闇
 継承と解放、そして残された課題――一九八〇年代以降児童文学の長篇ファンタジーに見る「闇」 佐藤宗子
  1 「現代児童文学」の出発とファンタジー
  2 交差する三つの「闇」
  3 思いのこめられた「闇」
  4 九〇年代以降の状況のなかで
 「語り」の問題性とその向こう側にあるもの――天沢退二郎における二元論の問題 井上乃武
  1 二元論の破綻とテクスト内ファンタジーの自立――『光車よ、まわれ!』
  2 物語群の解体と「世界」の改変――『オレンジ党』シリーズ
  3 外的な存在としての「語り」の問題性――「闇の神話」試論


第3章 近代文学と闇のファンタジー
 呪術的世界に生きた「毒もみのすきな署長さん」に関する考察――毒もみを中心とした宮沢賢治作品における罪のあり方をめぐって 大島丈志
  1 署長さんの特異性をめぐって
  2 毒もみ・発破という罪の扱われ方
  3 呪いのすきな署長さん
  4 みんなはすっかり感服しました
 『犬神博士』とその一族――フィクションにおける「犬神」像 今井秀和
  1 変貌する「犬神」像
  2 実際の犬神信仰と、フィクションでの犬神
  3 『犬神博士』と『犬神家の一族』
  4 大神と犬神――『犬神博士』の挿絵を読む
  5 新聞小説『犬神博士』
  6 「ドグラマグラ使い」と「犬神使い」
 風太郎文学における闇の論理――愛の亡霊、背徳の聖者たち 谷口 基
  1 幽霊は時代に抗う――『幻燈辻馬車』
  2 宗教的奇蹟か、「ゆうれい」か――『明治十手架』
  3 「闇」のキリスト、監獄のイエス――『地の果ての獄』


第4章 ファンタジーの変容
 ダークな感情が切り開く世界――桐野夏生『ダーク』論 吉岡 亮
  1 変容と属性の消去
  2 ネガティヴな感情の応酬とその外部
 『キノの旅』と『ブギーポップは笑わない』 小松史生子
  1 ここではない、どこかへ
  2 正義と道徳
 グロテスクな魔女の幻想――『うみねこのなく頃に』 大橋崇行
  1 『うみねこのなく頃に』
  2 「ゲーム」としての「ミステリー」
  3 ライトノベルらしさの生成
  4 殺人の描写
  5 ミステリーにおける殺人の位置
  6 グロテスクな魔女の幻想

[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第6回)
 闇の時代と〈少女〉の任務 久米依子
  1 ダークな世界の女性たち
  2 戦う少女の国
  3 欲望のための表象
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

秋庭誠

2
「キノの旅」目当てで図書館からかりたもの。他にも、「ゲゲゲの鬼太郎」「宮沢賢治」「鳥居みゆき」「うみねこのなくころに」など、おおよそ本のタイトルに なるものの評論を集めた本。所々、飛ばしたので、最初からまた読んでみたいな、なんて。  ★★★☆☆(三つ星)  「闇へようこそ」←ボツ2012/10/30

ekura

0
「幻想文学」の後継誌を目指すナイトメア叢書のいわば本道をいく一冊。読み応えあり。特に山田風太郎論と宮沢賢治「毒もみの好きな署長さん」論には考えさせられた。「鳥居みゆき」論が2年寝てしまったのはちょっと残念だけど、かえって時宜を得たかなという気にもなる。2010/11/05

c

0
「ライトノベルスタディーズ」で少し触れられていた、ブギーポップ批判の文章が読みたかったので手に取ったが、それ以外の文章も案外良い。中でも、子供の頃好きだった児童小説「夜の子どもたち」「空色勾玉」に言及している論考を読んだのは初めてだったし、文章の質は兎も角そのことがただ嬉しかったな。「冒険者たち(「ガンバと仲間たち」の原作)」や「少年八犬伝」など、子供の頃の印象的な読書体験が連鎖的に思い出された。或いは「魔の星をつかむ少年」も。「魔の星」は児童小説というより、俺にとって最初の「ライトノベル的体験」だが。2015/06/28

ひめの たろう

0
青弓社7号 2010/08

鳩羽

0
うみねこのなく頃に、ブギーポップ、キノの旅など、気になる辺りだけ拾い読み。児童文学からラノベ、大衆小説まで幅広くファンタジーに書かれる闇の正体に光を当てようとする、評論集。リアルタイムに対象年齢の読者として読んだものは、こう分析されるとどこか「違う」と思ってしまう。光と闇がはっきり別れて対立する関係になる物語は、古典というか古典風になっているようにも思った。2011/01/17

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