妖怪は繁殖する

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妖怪は繁殖する

  • 著者名:一柳廣孝/吉田司雄
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 青弓社(2014/07発売)
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  • ISBN:9784787291813

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内容説明

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村・記憶・世間話の世界から飛び出して、小説・コミックス・映画・フィギュアなど、さまざまな文化現象のなかで増殖しつづける妖怪たち。私たちは、どのように妖怪を愛で/忌んでいるのか。妖怪の現在形から現代の闇を透かし見る「ナイトメア叢書」第3巻。

目次

「闇」への想像力をかきたてるために──「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝

はじめに 一柳廣孝

第1章 妖怪と付き合う
 妖怪研究三十年──小松和彦インタビュー 小松和彦[聞き手:一柳廣孝/吉田司雄]
  1 現代によみがえる妖怪たち
  2 社会の写し絵としての妖怪ブーム
  3 妖怪を思考すること
  4 民俗学と記憶と妖怪と
  5 「異人」としての小松和彦
  6 そして、民俗学と妖怪の未来へ
 妖怪という文法──京極夏彦インタビュー 京極夏彦[聞き手:一柳廣孝/吉田司雄]
  1 妖怪研究の現在
  2 妖怪研究は不可能である
  3 妖怪とは、水木しげるが作ったものだ
  4 水木しげるの妖怪観
  5 妖怪を書く
  6 タイトルとボリュームと
  7 どの出版社で何を書くか
  8 メタ妖怪小説としての『豆腐小僧双六道中』
  9 『妖怪馬鹿』たち
  10 変質する妖怪
  11 表現に対するこだわり
  12 言葉のリズム

第2章 妖怪を語る
 果てしなき流れに身を投じ 化野 燐
 「妖怪」の要素──描くという視線から 東雲騎人
 実録怪談のなかの妖怪たち 中山市朗
 妖怪展にまつわる不思議な体験 湯本豪一

第3章 表象としての妖怪
 薄明を歩む──熊倉隆敏『もっけ』 一柳廣孝
  1 コミックスカバーの記号学
  2 ヒトと物怪のあいだ
  3 境界に佇むこと
  4 モノノケと語ろう
 怪猫映画の系譜学 志村三代子
  1 怪猫映画の変遷
  2 新興キネマの怪猫映画
  3 鈴木澄子という女優
  4 大映の怪猫映画
 「モノノケ」の奏でる音楽──初期ソウル・フラワー・ユニオンの音楽が問題にしたもの 広瀬正浩
  1 被災地に現れた「モノノケ」
  2 「モノノケ」の視覚化とアイヌへの関心──『カムイ・イピリマ』
  3 「モノノケ」への呼び掛け──『ワタツミ・ヤマツミ』
  4 「モノノケ」を表象することの限界
  5 主体としての「モノノケ」──モノノケ・サミットの実践
  6 まとめ

第4章 時代のなかの妖怪
 近世の怪異と知識人──近世前期の儒者を中心にして 木場貴俊
  1 近世怪異文化の大立者、林羅山
  2 怪異の唯物論的理解──貝原益軒をもとに
  3 怪異の唯心論的理解──『性理字義』の受容
 恋するオサカベ 横山泰子
  1 江戸?明治期のオサカベ物
  2 泉鏡花の『天守物語』
  3 岡本綺堂の『小坂部姫』
  4 現代歌舞伎の「恋するオサカベ」
 毛玉たちの沈黙、あるいはケサランパサランの独白 飯倉義之
  1 吾輩はケサランパサランである
  2 いかに珍重されたかは、今日に至るまでの名前の多さでわかる
  3 吾輩は昭和五十年来多少有名になったので
  4 ありがたいありがたい。
 ツチノコも繁殖する──「恐怖」から「愛玩」へ 伊藤龍平
  1 『逃げろツチノコ』の話し手たち
  2 ドラえもんとツチノコ
  3 ツチノコのキャラクター化

[連載]
ゆらぐフレームの内外(第3回)
 キング・コングになれなかった男 吉田司雄
真夜中のセクシュアリティ(第3回)
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめの たろう

0
青弓社3号 2006/12

目目水母

0
妖怪というと民俗学の範疇というイメージを持つ人は多いが、本書収録の論考は民俗学に留まらない(中には感想文みたいのもあるが・・・)。ケサランパサランが受容されていく過程を本人によるモノローグ形式で綴った「毛玉たちの沈黙、あるいはケサランパサランの独白」や、妖怪からUMAへと変貌したツチノコに関する「ツチノコも繁殖する」が面白かった。2011/08/12

c

0
小松和彦と京極夏彦のインタビューは面白かった。同じように「妖怪」を希求しながら、二人の立場が微妙に対立しているのだ。小松の「異人論」を下敷きに京極が「姑獲鳥の夏」を書き、それがその後の妖怪ムーブメントに繋がっているわけだが、いわば理論の通俗化という関係性は現在も変わらないらしい。小松はまだ真摯だけれど、京極の妖怪(だけに限らないが)に対する態度は尊大に過ぎる。「通俗娯楽小説家」というより、たんに俗物と言った方が正しいだろう。2010/09/05

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