ホラー・ジャパネスクの現在

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ホラー・ジャパネスクの現在

  • 著者名:一柳廣孝/吉田司雄
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 青弓社(2014/07発売)
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  • ISBN:9784787291783

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内容説明

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なぜ人は怖がりたがるのか──。小説から映画・マンガ・コミックスとあらゆる分野で定着したホラーというジャンルを総力検証して、現代社会における「闇」の変容を見定める「ナイトメア叢書」の第1巻。怪異を恐怖しながら快楽する批評空間への招待状。

目次

「闇」への想像力をかきたてるために──「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝

第1章 新たなる怪異の発生──平山夢明インタビュー 平山夢明/一柳廣孝/吉田司雄

第2章 怪異を語る
 マサユメ体質 芳川泰久
 女が男に、男が女に 武田雅哉
 不可能な夢 稲生平太郎
 夢を妬む 遠藤 徹

第3章 怪異を読む
 土俗系ホラーの問題領域(ルビ:プロブレマティーク)──岩井志麻子における「オカヤマ」の表象 木村 功
  1 「ぼっけえ、きょうてえ」と「あまぞわい」の世界
  2 「依って件(ルビ:くだん)の如し」の世界
  3 「乞食(ルビ:ほいと)柱」の世界
  4 土俗系ホラーの問題系
 心霊からウイルスへ──鈴木光司『リング』『らせん』『ループ』を読む 奈良崎英穂
  1 底流としてのドーキンス
  2 流行としての「怖い話」
  3 アンチ・エイズ小説としてのウイルス系ホラー
 オカルト・ホラー小説がひらくもの──田口ランディ『コンセント』 生方智子
  1 オカルトの機能
  2 ホラーの位相
  3 読み解かれる隠喩
  4 〈主体〉のゆくえ

第4章 怪異を撮る
 地獄の佐分利信──黒沢清と「恐怖」の映画史 城殿智行
  1 レザーフェイスと佐分利信
  2 裏窓と桟橋
  3 チェーンソーとステテコ
 『女優霊』論──あるいは、映画の自己言及作用に潜む「魔」について 中野 泰
  1 怖くない幽霊
  2 『人面疽』
  3 フレーム
  4 始源の映画

第5章 怪異を描く
 起源のない富江と中心のないうずまき──伊藤潤二の描線・コマ・単一世界 高橋明彦
  1 不十分な原因と理由
  2 十分に圧倒的な画力(1)──描線
  3 十分に圧倒的な画力(2)──コマ割り
  4 起源のない富江
  5 中心のないうずまき
  6 伊藤潤二の非完結的単一世界
 今市子『百鬼夜行抄』論──民俗学に支えられたストーリー 田中励儀
  1 魅力的なキャラクター
  2 民俗学的素材の活用・反転
  3 演劇化・CDドラマ化
  4 幸田露伴・泉鏡花との関わり
  5 ノベルスとの交流

[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第1回)
 オンナ霊のいないジャパニーズ・ホラーなんて! 久米依子
  1 親子物語となったジャパニーズ・ホラー
  2 女性霊が跋扈する時代
  3 霊のジェンダーは超えられるか?
ゆらぐフレームの内外(第1回)
 『八つ墓村』の現在形 吉田司雄

第6章 怪異を識る 澁澤龍彦
 死後の生──ゴシック/セクシャル・マイノリティ/サブカルチャー 跡上史郎
  1 「あの澁澤龍彦」と「この澁澤龍彦」
  2 ゴシックハートと小さな三島由紀夫たち
  3 ゴシックハートを超えて
  4 サブカルチャーとしての澁澤龍彦
 高田衛 見えない世界の案内者 小二田誠二
  1 上田秋成・曲亭馬琴
  2 幻想文学研究
  3 かさねと祐天
  4 『四谷怪談』をめぐって
  5 テキストの普及

第7章 怪異を編む
 「幻想文学」の頃 長山靖生
 「怪」と「幽」──「世界で唯一」VS「日本初」 清水 潤
  1 妖怪祭りの夏
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

30
ホラーとは何か。この本で論じられた作品がそれだ、と言えばOKだろう。実作者の創作ウラ話(『アクアリウムの夜』の稲生平太郎が読みたかった)が楽しかった。作品論はやはり堅くて、独特の語彙や論の運び方が難しく感じられた。恐怖マンガ、あるいは映画にしても、実作を鑑賞しないと、本当の怖さはわからない。ここに取り上げられた多数の作品にいつ出会えるだろう?2015/12/17

mittsko

3
東が提雅夫が提唱した「ホラー・ジャパネスク」という概念を、何も知らなかったので 勉強のため読んだ。「ナイトメア叢書」は、雑誌『幻想文学』の終刊をうけ後継として企画され、8号までが出た。本書はその第一号。「怪異をめぐる表現」の現在ということで、文学と並び、映画、漫画、ラノベ、TVドラマ、批評家、雑誌、ムックなどが取りあげられる ※ 個人的に面白かったのは、編者二人による平山夢明インタビュー、雑誌『幻想文学』振り返り、雑誌『怪』『幽』批評です…(ΦωΦ)2023/08/26

Nekono

1
ナイトメア叢書の一冊。ホラーについての評論集。物語や映画、漫画等々に表現されるホラーについて民俗学やら映像論やら情報処理データベース(この部分はちょっと薄い)、漫画の読み方など様々な面から考察しようとしている。一つ一つが短いので少々突っ込み不足はあるけれど、バランスよくまとまっていると思う。個人的には映画に関する部分が特に面白かった。欲を言えば塚本さんも取り上げて欲しかったなぁ。2012/06/27

カツ

1
ホラー映画論のくだりはいただけない。この手の「構造主義的解読論」は、もううんざりだ。2010/02/02

三柴ゆよし

1
平山夢明へのインタビューが良い。2008/10/01

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