内容説明
二代将軍秀忠の「御免状」を懐に波芝(なみしば)信十郎は、越前宰相忠直が布陣しつづける関ヶ原に向かった。大坂の陣から八年目にして再び戦雲が日本を覆い尽くそうとしている。秀吉の遺児にして九州南朝の名門、肥後菊池一族の皇子、信十郎は、林崎神明夢想流の豪剣をもって、天下大乱を狙う勢力の策謀に挑んでゆく……。雄大で痛快な展開に早くも話題沸騰! 大型新人の第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二分五厘
11
元和八年、将軍秀忠の御免状を手にした秀吉の遺児・波芝信十郎は、関ヶ原に布陣する松平忠直の真意を探るために旅立つ。関ヶ原から越前北庄へと忠直を追う信十郎一行。だが宝台院や伊達政宗の陰謀により『日本史上最悪の暴君』と化した忠直は、領内を血で染め上げる蛮行に及び、更には信十郎が寄宿する永見右衛門佐を討つために兵を差し向ける。史実通りに展開するんだろうなぁ、と思いながら軽く読み進めるも、凄絶な戦闘に気をのむ。血生臭い事件が目白押しの江戸時代初期を舞台に、信十郎がどこまで飄々と世を渡っていけるのか楽しみ。2017/11/21
klu
10
以外とシビアな展開に・・・この頃の時代の本をあまり読んだことがないので新鮮です!2019/05/19
ウォーカージョン
3
面白かった。この作家さんは史実をうまく利用しているな。忍者の暗闘だけで終わるかと思ったら、なかなか激しい戦闘シーン。2019/06/02
wcibn?
2
これまた面白いです。全く新十郎ったらホント獅子奮迅の大活躍ですね。早速次も読まなくちゃ。4点。2013/08/17
ひかつば@呑ん読会堪能中
2
話の筋が一本通っているので1巻目よりも読みやすかったな。今回は、歴史上類のない暴悪な君主という評価を受けたこともある越前の忠直の話で、乱行を重ねた忠直が母の命を受けて豊前に流されたという史実の裏に、実は大きな陰謀があり、それを救ったのが信十郎の獅子奮迅の活躍によるものだった、というもの。迫力のある描写は実際の戦記を映像で見ているようでなかなか読みごたえがあった。3人が期待通りの活躍を見せてくれたのも良かった。次が楽しみだ。2012/09/24