内容説明
口寄せを通して死者と生者の「いのち」を結ぶ盲目の巫女オガミサマ。民俗社会で形成された巫女の習俗=民間信仰が近代の歴史的文脈のなかで変容していく過程をたどり、巫女の個人史もつむぎながら、その社会的・文化的な意味を解読する。
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目次
序──ボルヘスの闇とことば
I 巫女の現在
エスノグラフィーへ向けて/巫女たちの現状
II 近代日本における巫女
盲人の近代/文明開化と「迷信」/巫女の近代
III 盲人結社とネットワーク
大和宗の来歴/巫女縁起と結社/巫女のネットワーク
IV 巫女のライフヒストリー
岩ヶ崎のオカミン・阿部まつみ巫女/小鯖のオガミサマ・小野寺さつき巫女
V 盲目をめぐるイデオロギー
盲目、女性、巫女/通俗的因果応報論の世界/「一人前」の社会
VI 巫女への水路
「卑賤」の眼ざし/ザルマワシと「商売」/盲目性と「一人前」
VII カミツケ儀礼の戦略
〈おんな〉になる前──巫女への要件/〈おんな〉になる──カミツケ儀礼の分析/〈ひと〉〈おんな〉になる
VIII 死者/巫女の語り──口寄せの時空間
死者を包摂する社会/口寄せのプラクティス/スティグマとカリスマ/「梓の声」を聴く──口寄せの場(1)/死者への配慮──口寄せの場(2)/語りと〈いのち〉の思想/おわりに──語りのワンダーランド
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん。
7
良書。2024/04/15
HANA
4
東北の巫女に関する研究。大和宗が戦中に結成されたものだとか、口寄せの実態だとか興味深いものが多かった。ただそれの分析に著者のイデオロギーが前面に出すぎており、それが目を曇らせているように思える。分析を抜きにして資料としては相当使える。2011/04/22
渋江照彦
3
最近、奇妙な地平に誘われました。この本に辿り着いたのも、その些細な結果です。口寄せの採録も興味深いですが、この著者の著作や編著等を少しだけ覗いているので、そういう点からも興味深いです。2015/05/14
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