不思議な少年(4)

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不思議な少年(4)

  • 著者名:山下和美【著】
  • 価格 ¥759(本体¥690)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784063724714

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内容説明

小さな田舎町に住む少女がある日感じる、恐ろしい疑問。「猿」と名乗る不思議な老人が見せる、綺麗な水晶の世界。一族を無惨に殺された男、復讐心のみで生き抜く事ができるのか。--人が持つ思いは、果てしなく大きく深い。その真実に触れて少年は、時に安らぎ、時に戸惑う。少年が持つ永遠の時の中、ほんの一瞬だけ「人間」の真実がかいま見える。「天才柳沢教授の生活」の山下和美が、美しくも醜い人間の心を描き上げる!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

13
再読。いろいろなひとに読んで欲しい素晴らしい作品だと思う。今回は特に、合田由利香の物語について。全く相容れない二つの世界に生きる女性たち。荒んだ人生の果てに虚無に囚われた女と、ささやかで小さな世界に生きる由利香。少年と出会った由利香が自分の存在に揺らいだ時、少年に抱き締められて話す「素敵だね 生きることって素敵だね」という言葉が胸をうつ。同じ言葉が想像も出来ない生きざまを終えた女にも届いたのだろうか。せめて由利香は閉ざされた世界で幸せに・・・。2014/01/24

椿

11
「由利香」「水晶玉の猿」「ベラとカリバリ」一番切なかったのは「水晶玉の猿」。少年は、女性にも姿を変えられるのか。2016/09/11

さとちん@脊椎オパ3/10参戦

10
今回も胸が痛くなったり胸を打たれたり。由利香…生まれながらのモンスターは居ないのか、それとも…どちらにしろ性犯罪者なぞ存在しなければいいのに。水晶玉の猿は一体何者だったのか。本当に切なかったです。不思議な少年が感情を大きく動かされ、憎しみの感情を覚えた一幕でした。ベラとカリバリもとても魅力的な歴史物語でした。2013/03/07

アイアイ

9
田舎に暮らす平凡な中学3年生、合田由利香のみる血みどろのもう一つの世界「由利香」里を渡り歩く大道芸人の猿と名乗るホラ男は、無名の英雄「水晶玉の猿」鼻を削がれ処刑される最後のロム族の青年ベラに、復讐心を宿し女となって少年が現れる「ベラとカラバリ」▽図書館2015/06/18

くさてる

7
小さな田舎町に暮らす平凡な少女の胸に差す暗い影。その正体を描いた第11話「由利香」がいちばん良かった。どんなモンスターのような人間にも温かく無邪気な心が…というせつないお話のようにみえるけれど、わたしはもっと平坦でシンプルに、すべての人間に備わっている世界は、こんな人間にもあるのだ、という事実を描いただけのお話のように思った。その冷静な視点が心地良い。2015/01/24

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