不思議な少年（１）

著者名：山下和美【著】

講談社（2014/11発売）

• ISBN：9784063287721

内容説明

【無料試し読み閲覧期間2025/12/19～2026/1/1】
あらゆる時代とあらゆる場所を「彼」は訪れる。――終戦直後の日本に生きる家族を縛る「血」と「土地」。19世紀末のロンドンを懸命に生きる身寄りのない少女。生きる目的を知らぬまま戦国乱世を駆け抜けた1人の青年。それはいつの時代も変わらない人間らしい生き方。そこに1人の少年がいた。永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。『天才柳沢教授の生活』の山下和美が人間の光と闇をきらびやかに描く新シリーズ、堂々のスタート！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[mitei]

タイトルの通り不思議な少年が色んな時代に出入りして、煩悩にまみれた人間を見ているような感じ。続きが気になる。人間の欲深さって怖いなぁ。

2017/10/09

[カムイ]

山下和美さんの絵が好きである!そして時代時代に現れる少年、人間の醜さを見せてくれる、答えの出ない物語が多いですがそれは読者に考えろと言うことか!哲学に通ずる物語である。全然関係ないがカムイはオーストラリアの片田舎を訪れたときに高齢の男性にファンタスティックボーイと言われた事がある、それがどのような意味に取っていいのか戸惑った、ま、驚きの表現だったのだろう。

2020/10/26

[眠る山猫屋]

再読、これは素晴らしい作品だ。何度も読み返したくなる。一巻では『狐目の寅吉』のエピソードが印象深かった。生き切った者の顔、誰に何を云われようとも理解されずとも、最期まで己を貫き通した者の最期の顔。カインにならなかった兄の去り際の表情、親友を許した女性の強き容。 どれも素晴らしい。ぜひみんなに読んでいただきたい作品。

2013/10/14

[椿]

多分、再読。この少年は天使なのかな～？と思ったけど、違うのかな…。「万作と猶治郎」「エミリーとシャーロット」「狐目の寅吉」

2016/09/07

[珈琲は深煎りで]

旧約聖書の話を知っていると、いかに世界中の物語に組み込まれているかっていうのがわかりますね。この不思議な少年もその一つ、というかこれは隠さずに初めのページからカインとアベルの話をもってきているのだけど。ノアの方舟の話なんて、未だに洋画なんかで製作されているし、選民思想なんかも本当にいろんなところで出てきますね。そういうのが実は聖書から全部来ているっていうのを知っているか知らないかで物語の見方ってすごく変わってくるんじゃないでしょうか。

2014/12/15