内容説明
キワモノである。下品である。悪意と偏見に満ちている。全然やすらぎを与えない。エッセイの本義に悖(もと)る──と自らの文章をも毒舌をもって語る人気の直木賞作家が、喜怒哀楽を包み隠さず吐き出した痛快エッセイ。実は読むと、やさしい人間臭い視点で世の中を捉えた、涙と笑い、感動がいっぱいつまった1冊。(講談社文庫)
目次
禽獣について
良識について
ふたたび鬼畜について
近親憎悪について
流行について
脂肪肝について
コレステロールについて
宴について
御高配について
鉄血について〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
89
あとがきの日付けは平成八年吉日、今から20年以上前である。その頃の自分をふりかえってみると、三十路から四十路への女盛り(笑)を子育てに捧げ、発掘調査整理作業などと言う地味を絵に描いたような仕事を一心不乱にこなしながら玉川大学の科目履修生となって司書の資格をとるべく猛勉強の最中であった。海のものとも山のものとも分からない息子の戯言を聞きながら、反抗期真最中の娘の成績に卒倒していたあの頃。浅田氏の本書『勇気凛凛~』は一服の清涼剤と言うか起爆剤と言うか、笑ってホロリとして考えさせられる、まさにやどり木であった。2017/01/08
miyumiyu
81
これもおもしろかった。沖縄問題、ホームレス問題などの一考察には考えさせられた。ハゲについての論争、62センチの巨頭と23.5センチの矮足、京都での突然の便意など、笑った笑った。シャイな筆者のサイン会、吉川英治文学新人賞受賞時に共に受賞した医師の話、胸がいっぱいになった。そして愛猫の失踪、もっと映画作りたいと叫んだ若き映画監督の話には思わず涙。浅田さんのエッセイは飽きない。2016/11/20
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
66
★★★★☆久しぶりに、著者のエッセイを読んだ。著者の小説は全作制覇とはいかないが、一時期好んで読んで、その度に必ず泣かされ、笑わされ、心揺さぶられた。そんな魅力的な小説群に負けず劣らずこの人の書くエッセイは素敵だと思う。先日授賞された紫綬褒章もさもありなん、エッセイの良いネタとなるだろうと思った。シリーズ二冊目の今作、前作は抱腹絶倒で読んだ。今回は…考えさせられた、随所に「沖縄」が出てくる。この先、どうレビューを進めていいかわからない。他人事になっている自分が情けない。申し訳ないの一言で済ませたくない…2015/05/14
きむこ
40
勇気凛々シリーズ。期待通りの面白さで一気読み♬大満足♡『浅田さんのエッセイは痛快で下品で言葉が暴力的で悪意と偏見に満ちていて自虐的要素もあって無茶無茶笑える。』と書くと嫌な奴なように誤解されるが、実はそれはすべて隠れ蓑。読んでいるうちに、実はものすごくシャイで、人間臭い優しい人なんだとわかってくる。蒼穹の昴を書いていた頃のエッセイで、作品の裏話、沖縄問題、北海道の医師のお話、シリアスな話題からハゲの話までてんこ盛り。笑って泣いて考えさせられた一冊でした♡★52016/12/05
KAZOO
36
日刊ゲンダイや週刊文春とは異なって、やはり週刊現代には浅田次郎さんがぴったり合うエッセイストなのでしょう。上から下までの幅広い題材をうまく料理して読ませてくれます。特に最初の猫の話は涙が出てきます。エッセイでも浅田さんは感動させてくれます。2014/11/08
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