内容説明
ついにとったぞ、直木賞。受賞前後の興奮と戸惑いを綴るエッセイ。爆笑のち涙。やがてじんわり効いてくる! 恋焦がれた直木賞。紆余曲折はあったけど、ついに雪辱、祝受賞。その前後の喜怒哀楽を、ときに格調高く、そしてときに下品に綴った貴重な記録の傑作エッセイ。他人の弱点を笑いとばし、自らの身を嘆息する。しかし我が道を信じ邁進し、手に入れたのが売れっ子作家の誉れと超多忙。力みなぎるエッセイ集。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
87
「えー、わたくし実は童貞であります」浅田氏の初講演会の第一声がこれ。それまで幻想としていた読者と初めて接触し「この人たちのすべてが貴重な生活の一部を費して私の小説を読んでくれているのだ」と実感し作家としての世界観が改まったのだそうだ。先日私は浅田氏のトークイベントを堪能してきた。浅田氏はもはや童貞ではなかった。経験を積み、持ち前の能力と相まって、濃密で心豊かになる時を提供できる大人の男だった。それはテクニックではないのだ。この本にあるように、人との繋がりを大切にし真摯に物書きであろうとしたことの証なのだ。2016/11/11
miyumiyu
78
おもしろかった〜!浅田節炸裂のエッセイ。「鉄道員」で直木賞受賞した時の様子、方向音痴や高所恐怖症の編集者のエピソード、競馬や動物の話…。手放しで笑える話、目頭が熱くなる話。バラエティに富んでいて、読みやすいけど内容は薄くなく充実している。さすが浅田さん。前後して3冊目を先に読んでしまったが、1・2も読みます!2016/10/18
kinupon
74
著者の本をほとんど読んでいますが、このエッセイはピカイチですね。下品さがたまりません。2016/12/20
あちゃくん
74
浅田さんの雑誌に連載していたエッセイをまとめたもの。とてもゆるい話があるかと思いきや、思いっきりかたい話があったり、バラエティに富んでいて非常に良かったです。中でも、N先輩との話は、作家浅田次郎の根っこにある話なので、知れてよかったです。2014/08/24
きむこ
72
ひょっひょっひょやっぱり浅田さんのエッセイは面白い♫20年近く前の作品なのに全然古さは感じない。『鉄道員』で直木賞を受賞した頃のエッセイなので、文章も勢いがあって、ピカレスク小説さながらガンガン突っ走っていて飽きさせない(ღ′◡‵)文章が巧いから読ませる力が凄い♡直木賞受賞時の「栄光について」はもうほとんど身内の気分で堪えれず涙。デブハゲ大頭の自虐ネタから浅田さん独特の『編集者をこき下ろしながらも感謝』を伝えるあたりも、らしいよねぇ。このシリーズ読破しなくちゃ♡★5←あくまで『私好み』2016/10/29