内容説明
小説家としての人生を私はついに手に入れた! 取材で海外に行った。映画の原作になった。高額納税者にもなった。パリに行った。自分の作品の映画も出来た。そして、ガッポリ税金も納めた……。このエッセイは、無名の物書きが小説家になるまでのサクセス・レポートとして読んでほしい。さあ、泣いて笑って、みんなでサクセスしよう! 不滅の痛快エッセイ、とりあえずの最終巻!(講談社文庫)
目次
意思の疎通について
三たび霍乱について
ふたたび真夜中の伝言について
現場検証について
オートメーションについて
歓迎について
福音と孤独について
白兵戦について
攣について
メイド・イン・ジャパンについて〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyumiyu
78
浅田さんのエッセイ「勇気凛々ルリの色」の最終巻。無名から直木賞受賞作家になるまでのサクセスストーリー。想像を超える多忙な様子と、浅田さんらしい一考察を楽しめた。パリで意思疎通ができなかった話、白髪の話、取材旅行の話、モチ肌の話、どれもおもしろかった。このシリーズで一番好きな、抱腹絶倒の第1巻「勇気凛々ルリの色」をまた再読したくなった。2018/01/07
きむこ
58
エッセイ『勇気凛々シリーズ』第4巻最終章。まだ売れていない頃から始まった週間現代の連載は4年の歳月の間に、直木賞まで取って一躍有名人になった。小説で例えたら当初は『プリズンホテル』ばりにはちゃめちゃヤンチャなエッセイで大笑いさせてもらったが、3巻で念願の直木賞を受賞し、まさに『蒼穹の昴』ばりのサクセスストーリーとなり、社会に対する率直な考えや本音も垣間見えるようになり落ち着いて来たなぁといった印象。どちらが好きかと聞かれたらもちろん私はピカレスク派(≧∀≦)★42017/11/22
good speed
31
週刊現代で連載された勇気凛凛シリーズ、ひとまずの最終巻。47のエッセイが収録されています。血と汗と涙でできたサクセスストーリー。とにかく喜怒哀楽のバランスが素晴らしいです。作品、映画の秘話が色々な意味で泣けます。「モチ肌について」、「被虐的快感について」で爆笑。マゾの語源も知ることができて良かったです(笑)→2014/12/05
シュラフ
26
不思議な感じがする。いま浅田次郎63歳、わたし50歳。50歳のわたしが40代半ばの浅田次郎のエッセイを読む。たんに読むのが遅くなっただけの話なのだが、この本の浅田次郎が今のわたしより年下というのがすこし不思議な感覚がするのだ・・・。歳をとってみると格好いい大人というのは、自分のスタイルをもっているかどうかということ大事であることが分かる。浅田次郎の魅力は、この生き方のスタイルをもっているということ。日常生活における、好きな食べ物、好きなこと、好きなもの、これが実にはっきりしている。こういう生き方いいね。2015/09/05
kaida6213
16
エッセイ集ひとまず最終巻。 あいまあいまにさくさく読めて、安心品質で面白い。箸休めにちょどいいですね。2014/04/12