河出文庫<br> 生活の世界歴史〈7〉イスラムの蔭に

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河出文庫
生活の世界歴史〈7〉イスラムの蔭に

  • 著者名:前嶋信次【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 河出書房新社(2014/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309472171

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内容説明

世界の巨大文明の原理を理解するために、十世紀バグダードとコルドバの現場に降り立って、カリフの生き方、教育と文学世界、日々の金銭感覚、占星術と豊穣な暦の智恵、青春と恋愛世界など、豊富な挿絵で語る。

目次

帝王譜-カリフの生きざま
翰墨譜-教育と文学
都城譜-ある法官の茶飲み話
コルドバ図巻-市街と住民
田園図巻-コルドバ歳時記
愛恋図巻-鳩の首輪

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maqiso

4
10世紀頃、アッバース朝は衰えカリフも頻繁に交代させられていたが、バグダードの文化は成熟していた。アラビア文学では軽妙な物語や文芸書が楽しまれた。西方ではコルドバが栄え、アラブ・ベルベルやユダヤ教徒などが移り住んだ。エピソードや引用が多く、面白いものもあるが散漫。2023/04/12

xin

3
同じ著者の『イスラム世界』を文化史の面で保管するような本。とくにアンダルスのイスラム文化・歴史がかなり詳細に取り上げられている。2016/03/13

富士さん

2
再読。通時的な著述を避けて10世紀を中心に共時的な著述を採用されているのは慧眼です。生活史を描くには因果を求めるより、相互作用の在り方を描く方がより意義深い著述が可能であるように思います。文明が堆積しすぎて最早腐臭がするメソポタミアの地と、同時代でもどことなく清々しいイベリアのありさまはイスラム系文化の多様性が示されてとてもおもしろい。特に、ゴリゴリの法学者でも恋愛を楽しみ、セックスを喜ぶことに積極的であるのは印象的です。誠実なイスラムの信仰とあけっぴろげな肉欲が両立しているのは衝撃でもありました。2017/09/07

フェイ

2
イスラム世界の文化(特に文学)について解説している。 事実上同著者の「河出世界の歴史〈8〉イスラム世界」の補完という形で作られているため、そちらの本が手元にないと、多少理解が難しいかも知れない。(歴史的事件の解説等がないため) 内容としては、イスラム世界での文学的著名人の紹介や、その著作の抜粋、そこに記載された支配者の逸話等である。 2016/03/03

うまのすけ

1
ブワイフ朝を調べていてこの本に行き着いた。古い(1975年)が良い本。前嶋信次は佐藤春夫に私淑していたらしく、流麗な文体だ。イスラーム文化の黄金期である10世紀前後のバグダード(とコルドバ)を描く。アル・マスウーディーの『黄金の牧場』やアッ・スユーティーの『カリフたちの歴史』などのイスラーム年代記が雄弁に語っている。ブワイフ朝のアミールがカリフを玉座から引きずり下ろす逸話などを紹介しており、没個性と感じていたイスラーム史の印象が変わった。余談だが、前嶋は戦前10年近く台南で教職に就いていたようだ。2017/08/01

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